秋ノ宮 陽菜

はじめまして。秋ノ宮 陽菜(ひな)と言います。 物語をつづるのが好きで、ずっと書き溜めてきました。ひとの温かさ、優しさ、笑い、風変りなひと、古めかしい時代、人生の残酷さや痛みまでも、描き出せるようになれればと願っています。エッセイも書きます。どうぞよろしくお願いします。

秋ノ宮 陽菜

はじめまして。秋ノ宮 陽菜(ひな)と言います。 物語をつづるのが好きで、ずっと書き溜めてきました。ひとの温かさ、優しさ、笑い、風変りなひと、古めかしい時代、人生の残酷さや痛みまでも、描き出せるようになれればと願っています。エッセイも書きます。どうぞよろしくお願いします。

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  • 短編小説

    一話完結から、三話くらいまでの短めの小説を集めています。

  • 六花と父ちゃんの生きる道

    長編連載小説『六花と父ちゃんの生きる道』を集録しています。

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    長編小説『やがて動き出す、その前夜』という作品を集録しています。

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執筆の裏事情(自己紹介にかえて)

 小説を書き始めるようになったきっかけは、もう16年も前のはなしだ。ひとに言われたのだ。 「小説でも書いてみたらいいのに。」と。  彼は軽い気持ちで言ってみただけだったのかもしれない。SNSに載せた文章がおもしろいから、と。  けれど私にとっては、真っ暗な世界のなかに、一条の光が差したも同じだったのだ。当時の生活は、八方ふさがりで、逃げ道がまったくみつけられていなかったのだから。  寝る間も食事もめんどうなほどにのめり込んで、書き上げた最初の10作の長編小説は、一部のひ

    • 【短編小説】望月パセリとつきあうということ(3/4)

       大晦日、僕は大学近くの自分のアパートに、初めてパセリを招待した。 僕は実家に帰らないし、パセリも帰らないというので、年越しを一緒に過ごすことにしたのだ。 部屋をこれでもかというほど片づけて、こたつの上にカセットコンロを設え、鍋の材料もみんな買ってきた。 白菜、にんじん、ねぎ、しいたけ、えのき、鮭の切り身、鶏肉、木綿豆腐、マロニー。締めの雑炊のためにご飯も炊いたし、卵もある。スープは市販のしょうゆ味だ。 パセリを駅まで迎えに行き、そこから徒歩十分のアパートについた。

      • 【短編小説】望月パセリとつきあうということ(2/4)

         初めてのデートは、上野の国立西洋美術館に行った。待ち合わせの上野駅、改札を出たところで待っていると 「いま、どこにいますか?」  とラインが入った。  パセリが迷っているのかもしれないと思って顔を上げると、二メートルくらい先にパセリはいて、僕ににこにこと微笑みかけていた。  上野公園は秋の穏やかな陽光に包まれ、紅葉した木の葉が落ちては舞っていた。パセリは落ちてくる木の葉を踏みつけて歩く遊びに夢中になり、まるで子供のようだと思ったものだ。  美術館の十七世紀の西洋画展に

        • いくつになってもときめいたり、胸焦がしたりしてしまうものなのね。若い頃なら黒焦げだけど、もう若くも、美しくもないのよ。未来のことは未来のこと。だれにもわかりはしないのよ。ことこと、ことこと、優しくね。ずっと胸が温かかったらいいね、って思うだけ。

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        執筆の裏事情(自己紹介にかえて)

        • 【短編小説】望月パセリとつきあうということ(3/4)

        • 【短編小説】望月パセリとつきあうということ(2/4)

        • いくつになってもときめいたり、胸焦がしたりしてしまうものなのね。若い頃なら黒焦げだけど、もう若くも、美しくもないのよ。未来のことは未来のこと。だれにもわかりはしないのよ。ことこと、ことこと、優しくね。ずっと胸が温かかったらいいね、って思うだけ。

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        記事

          【短編小説】望月パセリとつきあうということ(1/4)

          「いま、どこにいますか?」  ファミレスのシートに座って、メニューを開き、なにを食べるべきか真剣に悩んでいると、ラインが入った。  僕がいまどこにいるかというと、高田馬場のファミレスにいる。それはいいのだ。  ラインの送り主は、最近つきあい始めた望月パセリである。ちなみにパセリというのは本名で、純日本人である。それもいいのだ。  問題は、当の望月パセリはいま僕の目の前にいて、とっくに食べたいものを選び終えて暇なのか、僕の顔を見てにこにこ笑っていることなのである。 「

          【短編小説】望月パセリとつきあうということ(1/4)

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十五話(最終話) 世界は動き続ける

           父ちゃんが米の予約タイマーをセットして、それからふたり並んで歯を磨いた。こんなことも初めてだ。  お母さんの歯ブラシ、捨てられそうにない。六花と父ちゃんの歯ブラシが古くなって買い換えても、お母さんの歯ブラシは、変わらずそこにあるのだろう。  死んじゃったら、歯ブラシ要らないんだ。不思議。死んじゃうって、不思議。  父ちゃんにおやすみを言って、二階に上がる。スマホ充電して、目覚ましを六時半にかける。  ベッドに横になって、しばらく寝返りを繰り返したけど、自分の髪に纏わ

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十五話(最終話) 世界は動き続ける

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道第十四話 六花のふたつのお願い

          「十一月四日、十九時に魚政予約したから―――」 早く帰ってきて、は、おかしいか。そもそも会社行ってないし。いつまで行かないつもりなのか知らないけど。 「一緒に行こうね。実は成り行きで、勝手に予約しちゃったの。申し訳ないけど、お会計、お願い。」  六花は言った。  十一月四日、という日付に思い当たることがあったのだろう。父ちゃんの眼差しが、少し曇ったけど 「了解。ありがとう。」  と言ってくれた。 「もうひとつ。私はお母さんの写真、探してるの。その……やっぱり写真を遺影

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道第十四話 六花のふたつのお願い

          おはようございます。noteにおける小説の年内予約投稿はすべて完了。つぶやきとかエッセイは書くかもしれないけど。来年はもう少しのんびりやります。書かないと💦読まないと💦

          おはようございます。noteにおける小説の年内予約投稿はすべて完了。つぶやきとかエッセイは書くかもしれないけど。来年はもう少しのんびりやります。書かないと💦読まないと💦

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十三話 たこ焼きパーティー

           父ちゃんの気分が上々のまま、たこ焼きパーティーが始まった。父ちゃんの手さばきは、やっぱり見事で。お仕事がなくなったら、たこ焼き屋さんをやって食べていけばいいよね、とふと考えた。お仕事、と言えば。 「父ちゃん、会社から全然電話とか入ってないの?」  と訊いた。父ちゃんは不思議そうな顔をしていたが、はっと我に返って、畳の部屋へスマホを取りに行った。充電しっぱなしだったようで、スマホは生きていた。 「すごいぞ、六花。九十八件も着信履歴がある!」  六花は驚いた。そして焦る

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十三話 たこ焼きパーティー

          「六花と父ちゃん」終わりが見えてきました。第十五話で完結です。お付き合いいただいているみなさま、ありがとうございます。火曜と金曜に投稿のはずなのに、月曜の昨日にうっかり投稿してしまった。予約投稿なのに、なんで間違ってまうんやろ。すみませーん。

          「六花と父ちゃん」終わりが見えてきました。第十五話で完結です。お付き合いいただいているみなさま、ありがとうございます。火曜と金曜に投稿のはずなのに、月曜の昨日にうっかり投稿してしまった。予約投稿なのに、なんで間違ってまうんやろ。すみませーん。

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十二話 煮込む

           机の上に置かれたレジ袋のなかに、お母さんの元カレたちが切り刻まれて入っている。ここまで刻めば、復元することは不可能だろうと思った。そう思ったのに。  気が付くと六花は、一階のキッチンに立ち、鍋に少し水を入れて、切り刻んだ写真を全てそこに入れて、男たちを煮込んでいた。  よく、わからない。だって、やなんだもん。どうしても嫌なんだもん。  煮立ってくると、やがて写真表面の印刷が剥がれて浮かび上がる。菜箸でそれをぐるぐるとかき混ぜる。猟奇的な殺人をやっている気持ちになってい

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十二話 煮込む

          【短編小説】 翻訳

           物心ついたときにはすでに、外国の児童文学に育ててもらっていたような気がする。  日本に生まれ、日本に住み、日本の文化しか知らない私にとって、外国の物語はファンタジックなあこがれの世界であった。  聞いたことないような名前をもつ物語の登場人物たちは、流暢な日本語を語り、日本語で考え、行動した。あまりにもなめらかに入ってくる訳のせいで、もともとは外国語が書かれたものなのだということには、全く意識がいかなかった。  幼少期はスウェーデンの作家、アスリット・リンドグレーンの作

          【短編小説】 翻訳

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十一話 魚政

           六花は一旦二階に降りて、自分のスマホを手に、屋根裏部屋にもどった。  お母さんのスマホは、叔母さんが解約してくれているはずだ。お母さんの身体が粉々になるような事故だったのだ。スマホが無事だったとは思えない。  魚政と町名を入れて検索すると、行きつけのお店のホームページが出てきた。  電話なんてめったにしないし、相手はお店、しかも用件は謝罪なのだから、緊張してどきどきする。  それでも謝らなければ。魚政は、いいお魚を仕入れている高級店だし、イベントのときにはスペシャル

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十一話 魚政

          ようやく一作書きあがった。随分と時間がかかってしまった。1万5000文字ほど。案外、短いな。徹夜してしまった。早く寝ないと!

          ようやく一作書きあがった。随分と時間がかかってしまった。1万5000文字ほど。案外、短いな。徹夜してしまった。早く寝ないと!

          【エッセイ】咳をしても、ぎっくり

           石川啄木、いいこと言いますね。  「咳をしても、ぎっくり。」  まさにその通り。  どうでもいい話ですが、ぎっくり腰になりました。土曜日に日用品の買い出しに行って、重い荷物を持って階段あがったのがよくなかったみたい。  え?  石川啄木の言葉、間違ってますって?  ああ、そうそう。  「ぎっくりしても、ひとり。」  でしたよね。いやあ、お恥ずかしい。あんな有名な言葉を間違ってしまうなんて。  どちらにしても、真理を捉えていますねえ。さすが、偉人となるお方は違いますね。

          【エッセイ】咳をしても、ぎっくり

          自分は草食動物系だな、とつくづく思う。鼻がいい、耳がいいと、ものすごく生きづらい。神様! 自分を含む、鼻が良すぎる人間の鼻にティッシュを! 耳が良すぎる人間の耳に耳栓を! 女子高生のお口にチャックを!

          自分は草食動物系だな、とつくづく思う。鼻がいい、耳がいいと、ものすごく生きづらい。神様! 自分を含む、鼻が良すぎる人間の鼻にティッシュを! 耳が良すぎる人間の耳に耳栓を! 女子高生のお口にチャックを!