【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・3
そんな会話をしているうちにも、トタン屋根にはばちばちと雨が当たり、雨受けの茶碗たちはりろりん、からりんと楽し気な音を出している。
「ねえ、なんでお茶碗たくさん置いてるの? 土間なのに」
「土間だって立派な床さ。水浸しじゃかわいそうやろう。それにな」
「うん」
「夜中に化け猫が水を飲みにくるんよ」
「ほんと? じゃあ僕夜中までいるよ」
かっちゃんはガオと両手を出して
「さらわれるよ。子供はな」
と言った。
「じゃあおとなになったら来るよ」
「ああ、おとなになったらおい