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茶埜子尋子
2024年4月18日 19:41
花のようにきみの手が風にゆれる水面にうかぶ月は夜へ消えてゆく指先のひかりは木の葉に風穴を開けるようやく咲いた紫陽花の道路面電車の下散り散りになった砂は新しい明日の朝日になる結んでひらいて輪廻の輪いつもどこかで鈴がなる茶埜子尋子
2024年4月17日 21:03
永遠とおなじようにあなたの愛にうかんでいたい君のいのちの前で軽々しく白い血を流しつづけていたい時計の音とあの日の約束の唄は同じ音色広い海の浅いところのやさしい色に似ている幸せにいちばん近くて愛にいちばん遠いところの美しい色あの空が満たされるまで今日のこの日のままで枯れた花束を抱えて流木に凭れて小さな花咲かせて茶埜子
2024年4月16日 19:03
にじいろを手にもって光のアーチをくぐっていくとあの子たちの王国に辿り着くのひかりの不思議奇妙なかたちでこぼこの丸を創り出して滅ぼされた者たちの亡骸の数だけ国中が瞬きはじめるやがて夜の卵になって美しいくにが産まれるの青いペンをにぎりしめた星の子たち海をしらないまま青い大地を写し出してゆく茶埜子尋子
2024年4月14日 20:03
とんでもない愛を見つけたわけじゃない落ちていたイチゴをただ拾ってみたつもりなのに夜にはなにかこころ脅かすキラキラがあるらしいぼくの靴はひとりでに赤い街へ向かっている行き交う人間どもの仮面が美しいこと夜とはこういうことなのだ怯んだぼくのまたたきの間にきみの吐息が降り注いで次からつぎへ激しく変わってゆくきみに時に縫いつけられて
2024年4月7日 19:08
青い肌に無数の光無いものだけがそこにあるささやかなエロスをむき出しにしてあの日の陰を照らしてくこの星にはまだ生命はありますか無造作に交わりながら星の露を垂らしてやがて流れだすのこの星はインディゴの星青くゆれる長い尾のような惑星のいとなみ遊泳に似た陶酔茶埜子尋子
2024年4月5日 20:09
灯台からみえる淡いひかりの帆船は白いかぜの上を進んでゆくいつしか見えなくなっていく陽だまりが肩を揺すったことオイルランプの囁きでいくつも夜を明かしたこともう引き返すことはできないゆらゆら僕は波に揺られているゆらゆら帆船は風に揺られているひび割れた万年筆を手に取ってこの海へ遺書を書こうあの遠い国の物語と懐かしい日々の思い出とそして少しの後
2024年4月1日 19:32
叫んでもこの声は仄かなひかりになる泣いた分だけ輝きになるわたしはこのまま生きつづけるのきみの手に触れたらこの哀しみはきっと海になるきみをのみ込んで怪物になるお願いわたしを止めてください抗っていないで大きく吸って青い星になりたいのならくちびるのしわに染み込んだ空気のたまおどろおどろしい内蔵のひとつひとつに手をとって大
2024年3月21日 18:47
トキメキだけですべてを失ってしまえればいいのにほんの僅かな企みが未だにぼくを大切にしているこんなはずじゃなかったぼくは何者なのだろうかもっと上のひかりだけの世界からやさしいうたが聴こえているのにずっと遠くの世界から僕らのこれからをささやいてくれているのにむらさきいろの向こうから赤い手紙が送られてずっと いっしょに いようね
2024年3月20日 19:35
ちぎれた鳥の足が僕を導いてゆく跡をたどってぬかるみにはまっているのも知らずにあの輝きへ生ぬるい痛みも忘れられた傷もぜんぶそのひかりで思い出させて破裂した音きらきらと舞う腐敗した肉これは僕の記憶君の手を汚すぼくの血液のほうが何よりも温かいこと浅ましくなるそれでも僕の頬に流れ落ちた君の涙のほうが温かかったことよ
2024年3月10日 19:09
遠くの島でうたが聞こえるなぎさの宴懐かしい音待っていて私が子どもに戻るまでやさしい波潮風に揺られて白い時は嵐のようなはやさでなぎさの心美しい島待っていて私が子どもに戻るまでほのおの香り文明の呼び声茶埜子尋子
2024年3月8日 19:09
ふたりで星座になれたらいつかの日も見つめあえるねかるいままで刹那さを探していちめんきら星裂け目からこぼれてきらきら 潮騒目をつぶって銀色 夜の方舟いい夢を茶埜子尋子
2024年2月27日 19:27
生まれてすぐはなにも見えなくてペルシアの空は心のなかに夢のような溢れだす心地本物はいつもここに信じていいの懐かしいのはペルシアの空に全て置いてきたの風は吹いている渡り鳥語りかけてるよう優しさはいつもここに信じていいのきっと本当なんだろう七つの星が呼んでいる聞こえているよペルシアの空茶埜子尋子