![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151461654/rectangle_large_type_2_881f02ff7a9af8530ae607b53994bf8c.png?width=1200)
【現代詩】『 p a i n 』
『 p a i n 』
赤黄緑紫
海という
痛みの集合体に
足を浸しているとき
それはとても愉しいひととき
海は
痛みの=集合体=で
行きなり広く行きなり暗い
寄せては返す時も=哀しい=
夏になったら皆がたわ群れ
冬には誰もが忘れ去る
悪気もなければ諂(へつら)いも
しない
海は海の感覚だけに
独り泥酔する
沈んでゆく毎日とその一生に
もう二度と
出逢ってしまわぬ様に
炊きたての米、綯い交ぜにする如
しゃもじ一つで
釜底から浪、覆す
何処へも行けないという、世知辛
はたまた
何処にも走りだせないという、皮肉
わざと頭部を打ち付けて
酩酊しながら
うろたえる
屹度、だからだ
夕陽が蹴散らかした波飛沫が
妙に熱くて
辛かったのは
あかきみどりむらさき
2024ねん