くじら

文学研究・自己観察・本・犬のこと。

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  • いぬの介護の話

    スーパーファニー&ファンキーな老犬との日々

  • 研究の話

    文系院生の研究の日々(失敗談が多め)

  • 読書記録

  • 書くことの話

    書くことを習慣にしてみよう実験の記録たち。

最近の記事

いぬの介護日記4

今日は、御年17歳のお犬のお世話デー。 書いてる間にも、テレビの裏に挟まっていたお犬を引っこ抜いてきた。(老犬、狭いところに挟まりがち) ぴえーぴえー。 お犬が鳴きはじめる。もうお昼なのか。急かすお犬に、「さっきごはんあげたじゃん、次はわたしのだって。待ってて」。そんなことを言いながら、冷蔵庫に生姜があったのを思いだす。そうだ、今日は生姜たっぷりの野菜スープにしよう。最近冷えてきたし。 水を入れた鍋を火にかけ、具材を投入していく。 玉ねぎ、きのこ、ネギ、にんじん。奇跡的に

    • 研究を諦めた日のこと

      ポストを見たら見慣れない封筒が投函されていた。 差出人をみたら、すこし前に出した論文の投稿先だった。思ったより早かったな、深呼吸して封を開ける。中には、一枚の手紙が入っていた。何も考えず、三つ折りにされた手紙をひらく。書かれていたのは、論文の不合格通知。一瞬、まわりが静かになった。時が止まったというのは、あんな感じなんだろうか。 そのまま手紙を封筒に戻し入れ、お犬にご飯をあげる。相変わらずよくお食べになられる。今日は、鶏肉をトッピングしたのもあって、なおのこと食いつきがいい

      • 本を探しに、わたしを探しに

        仕事を終え、電車に飛び乗る。向かった先は池袋。ひさしぶりにジュンク堂にきた。 特に買いたい本があるわけじゃなかった。 回復が必要な時ほど、外に出て、ひとりの時間が必要だった。本に見降ろされ、囲まれると、等身大の自分に気づかされる。すぐに意識が頭に集中して、ふわふわ飛んでいってしまう自分には、こういう地に足つけられる場所や人が欠かせない。 とりあえず3階に向かう。 文芸コーナーで本を探していると、ふと、この一年くらいで複数の人に勧められた本があったことを思い出す。二階堂奥歯

        • 忙しない、あけぼの(『枕草子』)

          最近、忙しない。でも、なんか、楽しい。 やらなきゃいけないことを抱えつつも、自分のやりたいことがあって、会いたい人に会えて、そういう日々がうれしい。動きたくても話したくても書きたくても、どうにもできなかった去年までを思うと嬉しさが止まない。 朝の風景と『枕草子』 そんなことを思っていたら、ふと光と共にカーテンの白が飛び込んできた。ああ、日がさしてきたのか。それだけで心がふっと明るくなった。 カーテン越しに見える景色、明るさ、色。こういうのって、家の中で過ごしているからこそ

        いぬの介護日記4

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        • いぬの介護の話
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        記事

          「雨宿り」

          窓の外を見ると、葉が濡れながら揺れている。今日も雨か。ふと、雨宿りをした日のことを思い出す。 雨がやむのを待つはずが、閉店するころには土砂降りになっていた。これじゃ帰れないのを待っていたみたいじゃないか。駅に移動して、しばらく雨を眺めていた。街灯に照らされた雨は白く、力強くコンクリートを叩いている。 いっしょにいた人は、傘も持たずに出てきたというのに、のんびりとそれを眺めていた。いつも何を考えているか分からない人だった。多分なにも考えていない。そんなことを言ったら怒られる

          「雨宿り」

          「頑張ってほしい」の暴力性

          最近ウェブ媒体でこんな記事を見つけた。 「どうしてあなたは強くなろうとしないのですか?」 とても簡単にいうと、人を引き上げようとする力のもつ暴力性について言及したエッセイ。 読み終えてぐうと唸った。間違いなくその暴力性が私にもある。その一方で、この数年、この暴力性を浴びてきた気もしている。 手を差し伸べること 自信がなく、うまくいっていない人間をみると、皆手を差し伸べてくれる。時には、引き上げようと、前に進ませようとしてくれる。それは紛れもない優しさだ。 けれど、その人

          「頑張ってほしい」の暴力性

          冬の木蓮(李良枝『ことばの杖』)

          李良枝(イ・ヤンジ)という作家 大学院の知り合いに本をもらってなんとなく読み始めたのがきっかけだったのに、いつのまにか彼女の文章、感性が好きになっていた。 彼女の生い立ちや初期の作品を読むと、一度決めたら行動しないと気が済まないような溌剌さ(破天荒?)を持っているように見える。 けれど、それと同時に、やり場のない自らのエネルギーに押しつぶされそうになる危うさを内包していて、ひとつの物事に対して普遍的なものを見出そうとする、ある種の深刻な眼を持ち合わせているのを感じる。 そ

          冬の木蓮(李良枝『ことばの杖』)

          いぬの介護日記3

          我が家には、老犬がいる。御年、約17歳。よく食べ、よく寝て、よく鳴く。 そんなお犬さんの介護の日々。 お犬さんは、ここ1年くらいでよく吐くようになった。 医者が言うには、病気というよりも年齢ゆえのものらしい。たしかに、吐いたらケロッとしている。なんなら、出したから腹が減ったと怒ることも多い。元気なので特にこちらも心配しすぎずに対応している。 ある日の午前中、隣で作業していると、ぐえっぐえっと始まった。 「気持ち悪いんですね、大丈夫だよー」なんて声を掛けながら受け止める準備

          いぬの介護日記3

          朝の風景

          1時間間違えた。 今日は、本当は9時半から勤務だったのに、何を思ったのか8時半に出勤していた。ただでさえ昨日は飲み散らかして寝るのが遅かったのだから、もっと寝ていられたのにあほすぎる。 他の人たちは皆出払っていて、部屋には私しかいない。エアコンのファンと時計の音が時折聞こえるくらいで、部屋はひっそりとしている。どこか暖かさを保っているのは、多分カーテンを全開にした窓から注ぐ日の光だろう。 さっきまで人のいた気配を纏いながらも誰もいない空間が、結構好きかもしれない。暖かさ

          いぬの介護日記2

          ※今日は、あんまりきれいな話ではないので、苦手な方は申し訳ない。ここで引き返してください。 我が家には、御年17歳(推定)の老犬がいる。 身体は健在、だけど頭はちょっとぼけている。 毎日よく食べ、よく出し、よく鳴く。 ある日の午前中、わたしは仕事が休みだったので、犬の世話係。リビングで研究をしていたのだけど、いつものごとく聞こえてくるピエーピエーという鳴き声。「まだお昼ご飯まで1時間以上あるからね、待っててください」そう言ってもお構いなしに泣き続ける。 仕方ないので隣に

          いぬの介護日記2

          手渡すこと、本を編むこと

          わたしは自分のために書いている。そして、 ちょっぴりだれかの明日が楽しくなればいいと思って書いている。 受け継ぐこと 「明日が楽しくなる」この言葉は受け売りだけど、かつての自分にも、今の自分にもしっくりくる。ある時から敵視というか恐れるようになってしまった人の言葉だったから、この言葉を思い出したこと自体が久しぶりで、それが自分のなかから湧き出てきたもんだからなんだか嬉しかった。 手渡すこと きっとその人との関係性は、もう戻ることはない。けれど、たしかにわたしの中に少し

          手渡すこと、本を編むこと

          「蠢」という形

          「うごめく」と書きたくて漢字を調べた。なんとなく読めはするけれど、書こうとしたらどんな字だったのかわからなくて。 調べたら「蠢く」だと。 なるほど「蠢く」ねなんて思いながら書いていて、はっとした。春の下にふたつの虫。虫という漢字が並びあうだけで、なんだかたくさんの虫を示しているように思える。一瞬、わたしだったら、「土」の下に「虫」ふたつにするなあとか思った。 でも思い直す。やっぱりこれは「春」のほうがいい。「春」が上にくることで、寒さのなかにも暖かさが混じってくる気温や風

          「蠢」という形

          旅日記~北海道・釧路~

          朝7時の飛行機に乗って、ひとり釧路にいった。 絵を見に行くために この夏、釧路芸術館で鴨居玲(かもいれい)という画家の展示をしていた。タイトルは「生と死をみつめて」。存在は知っていたのだけど、実物はみたことがなかった。夏休みだしやすくない金額だったけど、なぜか今見に行ったほうがいい気がして勢いでチケットをかったのだった。久しぶりの空港でちょっと緊張して手続きを終え、無事に搭乗。窓からみえる景色を横目に、ふと、あと数時間後にはわたしは変わっているのだという確信をもった。なぜ

          旅日記~北海道・釧路~

          継続日記

          今日も書いている。これまでの自分からしたら驚くこと。だって、わたしは継続がもっとも苦手だった。 勢いがつけばガーっとやるけれど、それが終わればポイっと投げ捨てる。もう見ない。そうやってきたから、上がり下がりが激しいし、それに呑まれてしまうことがある。定期的に成果を求められる作業が苦手で、躓いた。 でも今はできている。ほんとうに、細々とだけど。特に成果になっているわけでもない。ただ、自分が少しずつ変わってきている気がする。毎日、自分のなかで何かがうごめいていて、それが書くこと

          いぬの介護日記

          わたしの家には犬がいる。御年17歳(保護犬なので多分それくらい)。 ボケてきていて足腰も弱め。でも健康体で、未だに15㎏はある。おまけに自己主張はかなり強め。その結果、少しでも目を離すとなにをしでかすか分からず、常にだれかが一緒にいなくちゃいけない。 仕事のない日、家で面倒みる日は、自分の人生で使うと思ってなかった言葉が飛び交いまくる。「おしりなめないでください!」(犬のおしりのことです)「もらしたな!」「うんこしてますね(絶望)」「すっきりしてなにより(疲労)」これがなく

          いぬの介護日記

          ぐうたら日記

          どんよりしている。天気も気分も。 今日は台風。楽しみにしていた予定も白紙に。「白紙」って打った時に「博士」ってでてきて、ああ研究。そんな変換ひとつでため息。やる気がない。と言いながらもこうやって今日も書いている。毎日続けることをやってきて、noteで投稿しない日もこうやってだらだらと書いている。それに意味があるのかはよくわからない。けど、わたしは何よりも自分に興味があるから、まあやっていたほうがいい。とはいえねむい。ぼーっとする。なにをしたらいいのやら。やることはたくさんあ

          ぐうたら日記