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「蠢」という形

「うごめく」と書きたくて漢字を調べた。なんとなく読めはするけれど、書こうとしたらどんな字だったのかわからなくて。


調べたら「蠢く」だと。
なるほど「蠢く」ねなんて思いながら書いていて、はっとした。春の下にふたつの虫。虫という漢字が並びあうだけで、なんだかたくさんの虫を示しているように思える。一瞬、わたしだったら、「土」の下に「虫」ふたつにするなあとか思った。

でも思い直す。やっぱりこれは「春」のほうがいい。「春」が上にくることで、寒さのなかにも暖かさが混じってくる気温や風、空の様子、その下には息づいてくる土、土のもとで活動をはじめる虫たち。これがもし上にあるのが「土」だったら視野がピンポイントになるところを、「春」にすることで土のもっともっと上から虫たちの、生き物の脈動を表すことができている。春のいろんなエネルギーを感じることができる。いやーよくできた漢字だ。

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