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いぬの介護日記4

今日は、御年17歳のお犬のお世話デー。
書いてる間にも、テレビの裏に挟まっていたお犬を引っこ抜いてきた。(老犬、狭いところに挟まりがち)

ぴえーぴえー。
お犬が鳴きはじめる。もうお昼なのか。急かすお犬に、「さっきごはんあげたじゃん、次はわたしのだって。待ってて」。そんなことを言いながら、冷蔵庫に生姜があったのを思いだす。そうだ、今日は生姜たっぷりの野菜スープにしよう。最近冷えてきたし。

水を入れた鍋を火にかけ、具材を投入していく。
玉ねぎ、きのこ、ネギ、にんじん。奇跡的に一枚だけ残っていたベーコンも。味つけは、白ワインに醤油と胡椒とちょっとの塩だけ。もちろん今日のメインの生姜は、全部すりおろして鍋にぶちこんで。あとは煮るだけ。

こうしている間も、お犬さまのボケはご健在。
キッチンのゴミ箱をじっと見つめたまま動かない。何が楽しいのか分からないけれど、まあお犬にしか見えない世界があるのだろう。
鍋に目を移すと、具材がずいぶんとにぎやかに踊っている。弱火にしなおし、しばらく鍋を見ていた。角ばっていた野菜もいつしか丸みを帯び、ずいぶんとやわらかな色になった。ひとつひとつの具材から味が染み出して、バラバラだったものが溶けあっていく。わたし、煮込む時間が好きかもしれない。

火を止める。大きめのカップにたっぷりとスープを注ぐ。
冷凍していた食パンをあたため、ちゃっかり目玉焼きをのせる。いつの間にかゴミ箱との対話を終えたお犬が、今度はダイニングで転倒している。退屈しなくてありがたいこと。お犬を抱きおこし、昼ごはんの時間。     

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