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霧の朝、目を細め、 一歩一歩足下を確かめながら、 歩を進める。 進む程に霧は濃くなり、 や…
月曜日が好きだ。 神に「仕事人間」というアビリティを付与され生きてきた私にとって、「休日…
「春の夢をテーマに描いてみてください」 絵画教室の先生から与えられた題材である。 春の夢…
花吹雪に抱かれながら、私はアナタに想いを馳せる。 アナタと出会ったのは小学生の時でした。…
おろしたてのワイシャツに苺ジャムをこぼす 初出勤の道中ピカピカの革靴で犬の糞を踏む 電車…
「始まりはいつも、終わりがセットなのよ」 妻が言った。 「それはそうかも知れないけど、僕は…
https://note.com/komaki_kousuke/n/ncb35e1fcdb8b?sub_rt=share_pw 布団から出るのがどうにも億劫で、おずおずと過ごしている内に三年の月日が過ぎていた。 気づけば我が身とベッドが一体化して、立ち上がることもままならない。 しかしこのままではまた何年も流れてしまうとしばし煩悶し、とりあえず立つことから始めようと決意を固めた。 「仰向けにされた亀はこんな感じなのだろうなぁ」と天井を見ながら独り言を言う。 重心が背中
雪化粧の施された道を歩く。 ザクザクと音をたてて。 見知らぬ道、見知らぬ景色。 意思はな…
「逃げる夢がずっと続いていて、それで困ってるんです」 目の前の女が言った。歳の頃は三十前…
「誕生日を迎える度に思ってたんです。いいかげん、誕生日をサッと躱して、加齢を避けられない…
紅葉鳥とケンちゃん書いて問う。 「なぁ君、これ読めるかい」 「こりゃそのままじゃないのかい…
「珈琲と紅茶、どちらが宜しいですか」 目の前に座る淑女に尋ねられた。 「珈琲が良いな。あ、…
りんご箱を開けると、中にはたくさんのりんごの他に、即席ラーメンや賞味期限の切れた食パン、…
「秋桜ってどう読むか知ってるかい」 ケンちゃんに呼び出され、馴染みの居酒屋で呑んでいる。 「なんでい急に、コスモスぐらいこっちも読めらぁ」 「おうおう、じゃあ秋刀魚は」 「サンマだろう」 「栗鼠ならどうだ」 「リスだな」 「おう、やるね」 「こちとら学はねぇが、漢字だけは得意なんでぃ」 「なるほど、そいじゃ牛蒡は」 「ゴボウ」 「本気」 「マジ」 「刑事」 「デカ」 「夜露死苦」 「ヨロシク…ってケンちゃんよー、途中からなんだか違ってないかい」 「あーすまんすまん」 「