果てしない白 #シロクマ文芸部「雪化粧」
雪化粧の施された道を歩く。
ザクザクと音をたてて。
見知らぬ道、見知らぬ景色。
意思はない、気付いたらそこにいた。
ザクザク、ザクザク。
前を見れば、果てしなく続く白。
上を見れば、ただひたすらに雪が降りしきり、
下を見ても、何があるかわからない。
ザクザク、ザクザク。
感じるのは、恐れ、不安、疑念、憂鬱。
それでも歩かなければいけない。
何故歩かなければいけないのか、
いつまで歩き続けなければならないのか、
それすらもわからない。
ザクザク、ザクザク。
答えのない、果てしなく続く白。
ふと振り向くと、足跡が道になっていた。
ザクザク、ザクザク。
僕は一体何処に辿り着くのだろう。