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放課後、ぼくたちは、あいみょんを聴いていた。

今、膝のうえに乗っけてみているむかしの雑誌「球体」。

この雑誌のことはずっと書きたくて。

でも書こうと思うと、横道にそれて書けなくて。

雑誌って言っていいのかさえわからない。

表紙が度肝を抜かれる。

だって、ちょっと懐かしい、世界のナベアツさんの顔。

その一冊には、ふるい小学校を改修して、あたらしく「会社の顔」として生まれ変わろうとしているまでの、建築のプロセスが、まるごと詰め込まれている。

その「会社の顔」とは、今の吉本興業東京本部のことで。

「球体」のページを眺める。

そこに蛍光灯らしき灯りが点っている。

光が届いている運動場の地面が、淡い茶色に照らされて。

夜の校舎に灯りが点っている風景はすこし、いつもと違う感じが漂っていて、どきどきする。

夜の小学校って、いつも真夜中はどうなっている? どうしているんだろう? っていっつも思っていた。

教室も真っ暗で、トイレも誰もいなくて、たぶん職員室や体育館も。

昭和九年に建て替えられた旧四谷第五小学校だった場所が、「吉本」東京
本部
になるまでの建築ドキュメントを読んでいた時の、胸騒ぎが甦ってくる。

それは建築ドキュメントではあるけれど、専門的なノウハウとかっていうより。

建築するひとたちも、雑誌を編集していた人達も、みんなむかしは小学生だったわけで。

そんな彼らが、小学生だった頃を思い出すように編集されている。

コマーシャルの演出家で文筆家の立花英々さんが、その古い小学校を訪ねながら、街並みを感じ、朽ちてしまった学校に、あたらしい命を吹き込むための思いが、日記のようなエッセイのような形で、紹介されている。

時にはそこに建築家の荒木信雄さんのインタビューまではさまれている。

そこで彼がこう言っていた。

「ぼくらの頃は、小学校とかって、<横>に伸びる感じがあったよね。隣は2組でその隣は3組で、そのとなりのとなりは・・・。みんな廊下でつながっていた」

そして。

「そういうことを、大人になると忘れてしまうね」

って。

ほんとうに、横に横にだったんだ、あの頃ってって思う。

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ふいに通っていた小学校を思い出す。となりのなんとか君のいる教室は、
ずっと同じ廊下を横にいくつかずれたら、たどりつけたし。

誰が好きとかじゃなくて女子とか男子じゃなくて。

ひとりのこどもとして存在していた、ほんの短い間。

休み時間に、秘密基地をこっそり作って家から持って来た大事なものを、
モロゾフかなんかのクッキーのお菓子の缶につめたまま、埋めておいたり。

そして、それがみつかって後で叱られたり。

ただ、あの子と遊んでると楽しいっていう、そういう時間ってあったなって思う。

大人になると悲しいかな、横から、縦、タテ、縦の時空間に覆われてしまう。

たぶんわたしは、そうやって伸びてゆく成長を強いられる縦思考みたなものに、ついてゆけないところがたぶんにあるのだろうけれど。

それでもそういうことって、避けられないからおのずと、縦の目線になっているところもあったと思う。

こうやってページをめくっていても、ふしぎな雑誌「球体」。
ほんとふしぎなんですこの雑誌。

小学校の時のあのでたらめな感じ。

いたずらがきをありとあらゆる場所にしてしまう心が、失なわれていないみたいに、ノートの切れ端が突然ページを開くとあらわれたり。

建築家の荒木信雄さんが、いきなりワンピースのような姿で現れたり。

ページをどっちにしてみればいいのかわからない。さかさまの世界に魅了されたり。

生きていると、どうしても順位がどうのこうのとか、あの人と比べてわたしはとか、つまらない縦の世界に生きざるを得ないのだけれど。

こんなふうに。

君も<横、横、横>の世界でたのしい時もあったろう?

みたいに問いかけられたら、そんなにすごく多くは、なかったかもしれないけれど。

あったよあったよ、わたしにもそんな時代が、みたいな気持ちですごくノリたくなる。

なんせ、ふるい小学校が「吉本興業」の東京本部に生まれ変わったわけだから。

そこはのっとかんとね!

ぼんやりずっと窓の外から、雲の流れにみとれて。
先生に立たされても。

授業中、飽きずに雲を眺めるのは、半ばわたしの使命ではないのか?

っていうぐらいに、空を駆けてゆくちぎれ雲から目が離せなかった小さかった頃。

そんな頃を雑誌を眺めつつ思い出したのだけれど。

つい最近わたしは。

noteの中で小学校の時の放課後のような体験をしたばかり。

「あんた、だれの曲とかすき?」

「おれ、おれめっちゃあいみょん」

「え? おれも、あいみょんすきやで」

って、もうひとりの男の子が話かけてくれる。

え? あんな言うていい?
わたしあいみょん人気なんは知ってたんやけどまだ聞いたことないねん。

ふたりの男の子は、へぇそうなん? それやったら、こんなん聞いたらええねんって、いろいろなあいみょんの歌を教えてくれた。

それは、わたしが、この間noteのコメント欄だけでやりとりさせて頂いた時のことで。

なんなんだ。この楽しさは。

noteって、早く帰りなさいの先生の声を後ろに聞きながら、男の子たちとただ喋っているだけで楽しかったあの頃の、小学校の放課後を思い出していた。ちょっと幻にちかいかな? そういう放課後って・・・。

フォロワーであるpoohさんそして、あるさん。

ほんとうに、ありがとう、遊んでくれてありがと!
この記事でお礼を言いたくて。

今日もお付き合いいただきありがとうございました!

今日の

#聞きながら書いてみた

もちろんあいみょん♬って思ったんですけど、あいみょんづくしになりそうなので。

今日はリトグリさんの放課後ハイファイブ♬にしてみました。

絵面が、あまりにも若っけ~ですね! ではどうぞ♪

      みみのそば ぼくたちだけの ことばで踊る
       思い出の 輪郭ぶれて わらってみたり


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ゼロの紙 糸で綴る言葉のお店うわの空さんと始めました。
いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊

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