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加速主義

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2024年2月の記事一覧

ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙』読んだ

ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙』読んだ

いやあこれは面白かった。

原著は40年以上前、邦訳は約20年前に出ているが、まだ読んでなかったなんてもったいないことをしていた。

意識はいつ、どのように生じたかというありふれたテーマだが、大胆な仮説を立てて検証した意欲的な作品だ。

まず意識とはなんでないかから始まる。

意識は学習に必要でない。概念の習得、形成に必要ではない。意識は経験の複写ではないし、知覚されたものを貯蔵しているのではない

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【日記】納富信留先生のセミナー/アジアカップ終了など

【日記】納富信留先生のセミナー/アジアカップ終了など

昨日はシラスで古代ギリシャ哲学の大家であるところの納富信留先生のセミナーを聴講した。

古代ギリシャ哲学というと、ある一時期のアテナイのことばかり連想しがちだが、西はイタリア半島とその周辺、東はパキスタンくらいまで広がっていたと考えるべきらしい。まあ確かにミリンダ王のエピソードとかもあるしな。

時代的には中世にまで及んでいるが、アウグスティヌスのようなキリスト教哲学は含めないというのが暗黙の了解

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山内志朗先生『天使の記号学』読んだ

山内志朗先生『天使の記号学』読んだ

山内志朗先生はセカイ系とスコラ哲学の相関をしばしば指摘されている。

わかるようなわからないような論点だ。だからもう少しそれについて知りたいと思ってこれ読んでみました。

存在の一義性については相変わらず理解できなかったが、現代のグノーシス主義のことはちょっとわかった気がする。

そういうわけで以下はポエムであって、内容の要約とかではない。

序章においてリアリティとはなんぞやという問答から始まる

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