「人生初のシェア型書店」で出会った2冊
心地良い空間でした。
直木賞作家・今村翔吾さんが、神保町にオープンしたシェア型書店「ほんまる」です。先日行ってきました。
シェア型書店へ足を踏み入れるのは初めての経験。ひとつひとつの棚をじっくり眺めました。
時代小説、純文学、ミステリィ、ビジネス書、歴史書、絵本、料理書、旅行書、写真集、アート関連、コミック……想像していたよりも多様なジャンルの本が置かれていました。版元は大きい会社もあるし初めて見るところも。
本に一家言を持つ人たちの選書だろうから、良くも悪くも尖った感じを予想していました。でも全体のラインナップから漂う空気は、むしろ「町の本屋さん」のそれに近い気がします。セレクト書店ではあまりお目にかからない最近のベストセラーも置かれていましたし。東野圭吾さんの文庫本とか。早川書房さんの棚には「三体」がありました。
今後、棚主さんが売り上げによって品揃えを変えることは当然あるでしょう。棚主さんが入れ替わることも。しかし講談社さんや早川書房さん、交通新聞社さんなどの棚のおかげで個人の選書のユニークさが中和され、私みたいなマニアじゃなくても安心して入れそうな雰囲気を醸し出している。
これが今村さんの狙いだとしたら、さすがというしかないです。
オリジナルのトートバッグや文具類も販売していました。トートバッグは2種類あったかな? 次行ったら買っちゃいそう。
今回購入したのは2冊。1Fと地下1Fから1冊ずつ選びました。1Fで衝動買いしたのは↓です。
棚の場所はレジのすぐ横(スイマセン、名称を確かめるのを忘れました)。静岡出版社から2019年に出た本です。
著者は仕事や家庭、趣味、社会貢献、地域活動などを複数同時におこなうことを「パラレルキャリア」と呼んでいます。それを昨今よく目にする、職場でも家庭でもない「サードプレイス」と関連させる着眼点に惹かれました。
職場でも家でもない場所に楽しみを見つける。それを地域活動に見出せるとしたら? しかもPTAや自治会のように義務的な感じではなく、居住エリアに限定もされない。本格的な移住や定住を必須要件とせず、ふるさと納税みたいにお気に入りの地域とゆるく繋がり、何らかの貢献をできるとしたら?
序盤を読んだだけでワクワクしました。
地下1Fで見つけたのはこちら。
ほるぷ出版から2005年に出た本。やはり棚名称は覚えていないのですが、文庫や児童書など様々な「吾輩は猫である」が並んでいました。そういうやり方もあるのかと感服した次第です。脱力と微笑を誘う表紙のタッチに惹かれ、気がつくと手に取っていました。
どちらも「ほんまる」に来なかったら出会えませんでした。ありがとうございます。また近々。
最後に。レジを打ってくれた方が「地域とゆるく~」にブックカバーをかけてくれたのですが(無料。袋はもらわなかったけど有料みたいです)、これが本当にカッコいい。店舗やロゴと同じく佐藤可士和さんのデザインとのこと。
ぜひ「ほんまる」で本を買い、皆さまの目で確かめてみてくださいませ。