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「ギムレット」の頃合い

日本時間の10月7日(木)午後8時以降にスウェーデンの首都・ストックホルムで発表されるそうです。

例年のことですが、いろいろな人がいろいろな見解を述べています。中には「絶対獲れない」と断言している記事もあります。それはいい。でも大前提として「春樹さんはノーベル文学賞には関心がない」「受賞を望んでいるわけではない」という事実をまず把握して欲しい。どうも一般的な世間の中ではそのことが周知されていないと毎年感じるのです。

関心のある方は、ぜひ↓をどうぞ。作家を目指している人にもオススメです。

ともあれ本人の意向がそうである以上、一ファンである私の姿勢も必然的に冷めたものになります。「獲らなくていいじゃん」「欲しくもない賞のことで『今年もダメだった』『逃した』とか騒がれるのは気の毒だなあ」と。

一方で「じゃあもし彼が受賞しても君は嬉しくないのか?」と問われれば、やっぱり嬉しいわけです。「静かに暮らしたい人なのに大変だなあ」と要らぬ心配をしながら、控え目に言っても全身全霊でエキサイトします。noteも緊急更新します。いつもは毎日ひとつしか書けませんけど、こういうときぐらいはね。

実は「もし春樹さんが獲ったら再読しよう」と決めている小説もあるのです。

↑は軽装版ですが、たぶんもう新刊書店には置いてないはず。いまは文庫で出ています。

「ギムレットには早過ぎるようだね」のセリフで知られるハードボイルドミステリィの最高傑作です。

私にはオシャレなバーでギムレットを飲む習慣はありません。共にグラスを傾けたい同性の親友もいない。だから乾杯する代わりにこの本が紡ぎ出す人生の旨味と苦味をひっそり噛み締めようかなって。

受賞しなかったらそれはそれで一向に構いません。何度も読んで筋は頭に入っています。本当に我慢できなくなったらノーベル文学賞とは関係なくドアを開けますし。

でももうそろそろ頃合いですよね。読書という名のギムレット、共に傾けてみませんか?

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