イチ非正規書店員が「石川県能登半島地震の復興にかかるれいわビジョン」を読んで考えたこと
都内のお店で働く非正規書店員です。
本屋の閉店や雑誌の休刊がよくネットニュースで取り上げられます。そして「若者の本離れ」「出版不況」「文化を守れ」「本屋さんに行こう」みたいな結論でまとめられる。
でも実状は少し違う。少なくとも私の職場には若いお客さんがたくさん来てくれています。土日祝日は大混雑です。人手が足りないし、追加した途端にどんどん売れる本もひとつやふたつではありません。
全国の書店が潰れている最大要因は、たぶん若者の本離れでも出版不況でもない。約22%という低い利益率です。それでどうにかなっていた方が奇跡だったと感じます。
改善するには版元側の同意を得る必要があり、そのためには返品率を下げることが求められる。ただ本屋がそうであるように、出版社にも様々な規模の会社があります。大手と中小の違いを考慮しないのはフェアじゃない。そういう話を何度もnoteに書いてきました。
「現場のことは現場にいる人にしかわからない」とまでは言いません。岡目八目。しかし「現場にいないと見えないこと、気づけないことがある」とは断言できます。
前置きが長くなりました。今回紹介させていただきたいのは本ではなく、
#れいわmemoさんのnoteです。
メディアの最大公約数的な報道と現場の実状の乖離。そこに気づき、発信してくれる姿勢に共感を抱きました。
山本太郎さんが5日に被災地入りしたことについては、賛否両論がありました。無論人気取りやパフォーマンスでやられては困る。でも山本さんがその場限りで終わる人じゃないことは現在に至る一連の活動(政治家になる前も含めて)を見れば明らかです。「それはアンタがそう思っているだけ」という方は↓をぜひ。
話を戻します。ニュースを見ながら考えて「国会議員が早い段階で現地の様子を自分の目で見て、まず何が足りないかを探る姿勢は必要では?」という結論に至りました。
部屋に山積みしている本をあれこれ読み返しました。そして小林よしのりさんの「ゴーマニズム宣言スペシャル 台湾論」で、99年に台湾で起こった「921大地震」の際に当時の総統・李登輝さんが取った行動を見て「これだ」と思い、↓で紹介させてもらいました。地震発生の翌朝には飛行機で現地へ飛び、直接被災者の話を聞いていたとか。
山本さんも総理の被災地入りに関して「入っていただいて良かった」としながら「世界のあらゆるところで起こった災害に関して、その国のトップはすぐに足運ぶんですよ。2日、3日、もうこれリミットですよ」とコメントしています。ああ同じ考えなんだ、と安心しました(ちなみに山本さんは12月28日に足を18針縫う外傷を負っていて、それで入るのが遅れたとか)。
くしぶち万里さんの「指定避難所以外で避難されてる在宅避難者の方とか、駐車場に車で寝泊まりしながら避難してる方とかいらっしゃって、そうしたところは行政の手が届かないんです」「避難所が日本はすごい貧困じゃないですか。もう体育館にマット1枚。先進国じゃありえないですよ」という発言も衝撃です。恥ずかしながら知らなかった。
そして思いました。私が書店の実状について書いたnoteを読んでくださっている方々も、あるいは似たようなことを感じてくれたのかもしれないと。現場の声を発信し、それに触れた人の意識が少し変わる。その積み重ねで徐々に大きなものを動かす。そんな風に諸々を良くしていきたいと。
「石川県能登半島地震の復興にかかるれいわビジョン」ぜひ。