「レジェンドと共に働く」という財産
藤波辰爾 vs 高橋ヒロム
70歳 vs 34歳
他の競技よりも選手生命が長いプロレスならではのドリームマッチ。ドラディション・後楽園ホール大会で組まれることが発表されました。
この種のカードは実現させることが目的みたいなケースが多く、ほっこりした空気になりがちです。それはそれで悪くない。しかし両選手の生まれ育った新日本プロレスには「キング・オブ・スポーツ」「ストロングスタイル」を旗印として掲げ、シビアな闘いを見せてきた歴史があります。
だからこそ藤波選手の「記念試合にするつもりはないし、自分を試してみたい。勝ちにいくということですね」というコメントに痺れました。熱い試合になりそう。
あくまでも私の印象ですが、一般層におけるレスラーの知名度はいまでもジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さんが飛び抜けています。それに次ぐのが長州力さん、初代タイガーマスク(佐山サトルさん)、そして藤波選手ではないでしょうか?
時代は日々移ろいます。でもレジェンドたちが残してくれた名勝負の記憶は消えない。ゆえにイチマニアとしては、彼ら彼女らがこういう形で壮年のレスラーと闘うのは大歓迎です。若い選手にとっても名前を売るとかだけに留まらず、目に見えぬ得られるものが絶対あるはず。
書店業界にも、半ば伝説と化した名物店長がいらっしゃいます。現役を続けている方も。お店に通い、会計後に少しお話をさせていただくことはできます。ただ一緒に働くことは難しい。
話を聞くのと同じ現場を共有するのでは、時間の濃さが全然違う。断言できます。かつてレジェンドの下で学ばせてもらったことがずっと役立っているから。かけがえのない財産だから。
ヒロム選手が羨ましい。決戦は11月22日。楽しみにしています。
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