考察「デジタル給与支払い」の意味
わかりません。
なぜ「現金だけ」ではダメなのか? そもそも「デジタル給与払い」を導入することで誰にメリットが発生するのか?
まず給料を払う側の企業はどうでしょう? 振込先が複数になり、残高上限の問題も生じる。手間が増えますね。
あと不勉強ゆえの単純な疑問ですが、ひとつの決済手段を全従業員に強制とかあるのでしょうか。「ウチのデジタル給与は楽天ペイのみです」みたいな。それをしないなら、ひとりひとりの使うアプリに合わせての振込になります。やっぱり面倒だ。
従業員にとっても「たしかにQR決済をよく使うから少しぐらいなら」という程度でしょう。わざわざ「○万円分をデジタル給与でお願いします」と希望する人は多くないはず。
一方、明らかに得をするのは自社でQR決済を扱っている一部の企業、いや大企業です。あとは現金の発行数を抑えられ、且つ「マイナンバーと銀行口座の紐付け」と同じく出入金のデータを管理しやすくなる行政側。
つまりはそういうことでしょうか?
ところでQR決済に対応していない町の本屋さん、けっこうありますよね。昔ながらのラーメン屋さんや定食屋さんとか。もし私が彼らの立場なら、今回の決定から「導入しないとヤバいことになるよ」という国の警告を読み取ります。
それならそれで、決済手数料を下げる方策も同時に進めないとフェアじゃない気がするのですが。
お店にとって最も利益率の高い決済手段は、いまでも「現金支払い」です。どういう理由かは知りませんが、現金専用のセルフレジを導入している書店もあるぐらいです。そこの基本原則が変わらぬまま「デジタル給与支払い」だけ先行されても、結局中小企業にとってはゆるやかな打撃でしかない。安定の「弱者に厳しい政治」です。
いまいちばん必要な政策はこんなことじゃなくて「消費税減税」でしょう。財務省よりも庶民の声に耳を傾けてほしいです。