「プロフェッショナル」に関する一元論
「プロレス」はいわゆる和製英語です。
正式名称は「プロフェッショナル・レスリング」といわれています。ところが近年「『プロモーショナル・レスリング』の略らしい」という説を目にしました。
「プロモーション」は「購買意欲を喚起するための活動」を意味します。ならばプロレスは「チケットを買いたくなるレスリング」でしょうか。ニュアンス的には「プロフェッショナル~」と重なりつつ、より「商売」に特化しています。
数年前、原宿のアパレルショップ「パイルドライバー」で買い物をした際、レジを打ってくれた佐藤光留選手は「自分の試合は『プロレス』ではなく『プロのレスリング』を見せます」と胸を張りました。
「プロのレスリング」=「プロフェッショナル・レスリング」。つまり彼は元々のネーミングとされる「プロフェッショナル~」と略称である「プロレス」を分けたわけです。
ここから感じる「プロフェッショナル」の定義は「プロモーショナル」に魂を売らない姿勢です。全否定はしないけど意識的に距離を置く。「生業としてお金は取る。でも大金を稼ぐことが主眼ではない」みたいな。
私は書店員です。いわば「プロフェッショナル書店員」。しかし会社が求めているのは「プロモーショナル書店員」な気がします。たしかにPOPやSNSを駆使して埋もれた良書を紹介し、購買意欲を刺激することは大事。でも大前提として「プロモーショナルに全振りしないプロフェッショナルの矜持」が不可欠ではないでしょうか?
お金はほしい。価値を否定などしない。対価をいただくことから生じる責任も忘れない。と同時に、決して「カネ儲け至上主義」に堕さない。その一元論に答えがあると思うのです。
「プロモーショナルな力も持ったプロフェッショナルな書店員」でいたい。オーカーン選手がそういうレスラーを目指しているように。それが私の志です。
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