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ハードボイルド書店員が紀伊國屋・新宿本店「BOOK WALL」に思うこと
紀伊國屋書店・新宿本店の2Fに「今日の新刊」を横積みにしたコーナー「BOOK WALL」ができています。
柱の2面を使い、直近12日分(月〜土の2週間分)の新刊を列ごとに並べているそうです(ただし雑誌、コミック、極端に入荷数の少ない新刊、医学専門書、B5版以上のサイズのものは除外しているとか)。
ヴィジュアルのインパクトも含めて画期的なアイデアです。大型書店の持ち味を存分に活かしています。特に版元の大小や作家の知名度、話題性などに関係なく、一律に「新刊」として並べることで発揮される「フェアネス」がポイント。そもそも「売れ数」と「本の価値」は必ずしもイコールではないのです。
毎日眺めるだけで楽しそうだし、普段目にしないジャンルの書籍と出会いやすい。ワンフロアに留まらない大規模店のウィークポイントとされる「探しづらさ」を補う意味でも有効でしょう。
ただ置くのは各1冊ずつですよね? 売れた分は誰かが定期的に補充をしているはず。日々の入れ替えの手間も気になります。1日や2日ならまだしも、12日分をすべて横へずらしていくのはなかなか。。。
こんにちわ。
— 紀伊國屋書店 新宿本店 (@KinoShinjuku) June 21, 2022
今日は #夏至 。1年の中でも最も昼の時間が長い日ですね。
日が長かろうが短かろうが、毎日書店には多くの新刊が入荷します。
2階BOOKSALONには、この1週間の新刊が一堂に会す棚があります。
これらを毎日、出してしまってを繰り返していると……日が落ちています。a.i. pic.twitter.com/NsLSfyT87Z
何というか、、、大変素晴らしいことだけど、書店員の業務は品出しだけではないわけで。「効率度外視なので、それを不満に感じるスタッフもいるかもしれませんね(笑)」というコメントも引っ掛かりました。
半ば諦めモードの(笑)ではなく、もっと内外に向けて志を熱く訴えていかないと。従業員の負担に配慮しつつ、同時に「効率よりも大事なことがある」を真摯に打ち出して理解を求める。その姿勢が企業のブランディングに繋がるのでは?
あと12日間にこだわらず、もう少し対象期間を短くし、各2~3冊ずつ置く方が「売り手よし・書い手よし」へ近付く気がしました。
興味深い試みなので、近々買いに行きます。どんな出会いが待っているか、とても楽しみです。皆さまもぜひ。
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