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「書くこと」と「客観的に読むこと」で救われる

発売記念イベント、気になります。

私は行けませんが、興味のある方はぜひ。

本好きのヤンキーが主人公の図書館お仕事漫画「税金で買った本」7巻が5月8日に発売されます。

同時にファンブックも出るようです。

図書館の仕事内容や職員の方々が直面する苦悩や葛藤、それでも働き続ける理由などが生々しく描かれた名作です。書店員にとっても「わかる!」「図書館も一緒なのか!」と叫びたくなるエピソードが多く、メンタルの整え方などを参考にしています。

ファンブックの内容紹介に「白井さんが作成した『クソ利用者図鑑』」なんて物騒な文言が出てきます。作品を読めばわかりますが、この白井さんというキャラクターは決して悪い人間ではない。真面目で責任感が強く、本当に本が好きで、何かを切実に求めて図書館を訪れる利用者のことを誰よりも考えています。

だからこそ理不尽なことを言って職員や他の利用者を困らせ、平気な顔をしている人が許せなくなってしまう。

一歩間違ったら独善的に暴走しかねない。しかし、そんな彼の心の揺らぎや赤裸々な本音を客観的に眺めることで「気持ちはわかる。でもそれをやったら絶対ダメだよ」と冷静な己を確かめられる(もしくは取り戻せる)。大袈裟ではなく救われています。

お客さんの前ではニコニコしていても、バックヤードに入ったら豹変。泣き出す人もいます。他の業種も同じでしょう。そういう闇の部分をなかったことにするよりは、フィクションとして他人事みたいに読む方が健全に発散できる。そんな気がしました。

チャールズ・ブコウスキーが言っていたように、書き手は世の不条理から己を救うために書きます。結果的に読む人の心にも何かが届いていたら嬉しい。毎週日曜に発表している「ハードボイルド書店員日記」はそれがテーマですが「税金で~」にも近い意図を感じました。

ぜひご一読くださいませ。

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