2020年6月の記事一覧
妄想短編小説お試し版「昭和プロレス」
長さ的に掌編じゃないの、と誰かが思う。むしろ正平。
その名前はまずいだろ。アンドレが笑う。せめて京平だろ、今もなお現役だぜブラザー。ホーガンも続く。カブキさん、毒霧の原液はショウガ? ニンニク? そんなの知ってもショウガない。そうだよ。だっていくら書いても新人賞なんてラジャライオンの蹴りほどもかすりもしない。フォークをテリー焼きハンバーグに刺しつつ著者が真面目に呻く。次こそは次こそはでもういい
3分で読める本屋小説
あんな所に本屋さん、あったっけ?
入ってみようか。用は無いけどまだ帰りたくないし。今の時間に帰ると母親から「どうだった?」「ご飯は?」って絶対訊かれるの。マジうざい。今日夕飯はいらないって朝何回も言った。うちのドア、鍵の内部の破損が末期症状なんだ。一度で最後まで行かない。引っ掛かる箇所がある。仕方なく力を入れると大きな音がするの。それで見つかる。半ドアで放置すると、欲しくも無いお菓子を部屋に
2分で読める(ほぼ)5枚小説
そろそろ死んでもいいなと考えた午前0時、電話がかかってきた。
「もしもし」「ハロー」「はい?」「ソーリー、バットアイワナトークトゥユー」「どちらにおかけですか?」「オフコースアイノウフーユーアー。アイゲスユーアーソースリーピー。バットソーソリー、アイキャントスリープビコウズオブユー」
若い外国人の女性だ。お世辞にも流暢とはいえないからネイティブではないのだろう。どうでもいい。そんな知り合いは