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内幕4︰本屋は売れ残った本を返品できる

皆さんは本屋で売れ残った本はどうなると思いますか?

本屋で処分してる?
売れるまでずっと置いておく?

実は、本屋で売れ残った本は取次(本の問屋)に返品できるんです。
例え、多少汚れていても色褪せていてもできるんです。

ではなぜ、売れ残った本を返品できるのか。
それは、制度で決まっているんです。

これを【委託制度】といいます。

つまり、本屋で販売する本は、基本的には委託されているものになります。
もちろん例外として、出版社なら買い取っていたりする場合もあります。

仕入れたものを売れ残ったら返品できるとか最高だと思いませんか!?
仕入れとはいうものの実際は取次から配本された本を並べるだけですが…

普通の業界だとありえませんよね!

飲食店だと売れ残ったら廃棄になるから考えながら仕入れますよね。

しかし、この制度はいいことばかりではありません。
本屋は、売れないからと返品ばかりしてしまうと、取次から希望の本(売りたい本)を入れてもらえなくなります。

この制度があるため、返品率(どのくらい返品したのか)の問題がでてくるからです。

返品をすると本屋から取次に本が戻されますが、配送コストがかかります。

この配送コストを負担するのは取次です。

取次は出版社との間で決めた部数を購入しているので、返品で返ってきた本が増えると在庫になります。

そして、在庫を減らすために発注のあった別の本屋に返品された本を送るようになります。

たまに、コミックなどでも何か色褪せ天地が茶色くなっていたりするものがありますそうした理由にがあるからです。

その配送コストも負担しなければいけない。

つまり、取次からすると“返品が多いとコストが増えるので出来るだけ返品を減らしたい”というわけです。

そのため、返品が多い本屋には、また同じようにコストが増えることが見込まれるので、本を入れたくない!入れても1冊だけにしよ!となるわけです。

そうすると本屋には、本が入ってこない!入ってきても少ない!という負のスパイラルに陥るのです。

出版社も返品が多いなら始めから初版を抑えよう!となります。

こうした、特殊な構造によって本屋の減少や紙の本の販売減少に繋がっているんです。

それに加えてAmazonなどのオンライン通販や電子書籍が普及してきていることも影響しています。

この構造のままでは、この流れは構いません。

業界の構造に甘えたままではいけません。
本屋も本を売ろうとする意識改革が必要です。

取次や出版社も本がどうしたら売れるのかを考えていくことが必要です。

業界に関わる全ての人が一緒に考えていくことで、必ず未来は明るくなります。

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