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Vol7:“本屋の当たり前”を続けていては生き残っていけない
本屋に携わる仕事をして18年になるが、ほとんどの本屋は“当たり前”が多すぎる。
例えば、昔から僕が思っていたことがある。
コミックの並びが出版社別になっていること。
なぜ、“本のタイトル”や“本の著者”を《あいうえお》順で並べていないのか。
漫画のタイトルはわかっているけど、出版社がわからないことがよくある。
その度に、“店員に聞く”か“スマホで調べる”必要がある。
仲の良い書店員にその理由を聞いたことがある。
出版社別に陳列されているのは、『返品の際に手間になる』からだという。
確かに出版社別に並んでいないと、返品する際に探す手間を考えても面倒になるのは理解できる。
しかし、『紙の本が売れなくなってきた』今、読者のことを考えず、自分達の都合に合わせて“当たり前”を続けることに疑問を感じてしまう。
また、多くの本屋では、ジャンル別に棚も分けられている。
ジャンル別に分けられている方が、一目で探しやすいという利点はある。
しかし、同じテーマであれば、雑誌や新書、文芸書や文庫、コミックや絵本などあらゆるジャンルを一緒に並べた方が、読者にとっては色々な本と関わる機会が増える。
こうした展開や配列は、【本屋】にしか出来ない。
電子書籍やオンライン書店では“体験”出来ないことなのだ。
つまり、【本屋】とは“体験”できる場なのである。
【本屋】は誰のために存在するのか。
【本屋】としてやるべきことは何なのか。
厳しい状況を乗り越えていくには、“当たり前”という既成概念を取っ払って、色々な“体験できる場”として展開していかなければ、【本屋】離れが更に加速していくのではないだろうか。
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