内幕16:出版社からの案内や注文は時代遅れの方法で本屋の負担になっている
飲食店やファストフード店などでは、注文がタブレットやモバイルになって便利になっています。
スマホなどを使いなれているとそちらの方が便利だったりします。
こうした注文方法は時代の流れによって当たり前なのかもしれません。
しかし、まだまだ注文の際に時代遅れのアナログなやり方をしている業界があります。
それが、出版業界です。
多くの出版社から本屋への新刊案内や販売促進は、注文書やチラシなどをファックスで送り、本屋から出版社に注文する際も届いた注文書に記入してファックスで送り返す方法が中心です。
この時代遅れの方法は、本屋側の大きな負担となっています。
毎日多くの出版数があるので、ファックスが大量に送られてきます。
そのため、本屋側の用紙代やインク代はかなり嵩んでしまいます。
大型店などの受信件数が多い店舗では用紙が1日に1束(500枚)なくなることもあるといいます。
また、それだけでなく誤送信などのトラブルもあります。
そのため、新刊の注文ファックスしたのに新刊発売日に本が入ってこないということなどもあります。
データでやりとりをすれば、履歴も分かったりするので、いまだにファックスを続けているということには疑問しかありません。
しかし、実は全ての出版社がファックスで案内をしているのかといったらそう言うわけでもありません。
もちろん、訪問案内やメールでの案内、専用のプラットフォームもあります。
例えば、文化通信社が運営する販促情報提供サービス「BooklinkPro」です。
これは、本屋と出版社を繋ぐプラットフォームで、新刊・既刊の注文書や重版情報、印刷用POPデータやイベント告知を閲覧することができます。
他にも共同受注サイト「Bookインタラクティブ」や「S-BOOK」というプラットフォームでは、各出版社のサイトにもとぶことができます。
しかしながら、登録してる出版社などが少ないため、利用する本屋も多いとは言えません。
出版社が掲載してもらうための“登録料が高い”などの問題が考えられるためです。
では、どんなプラットフォームなら本屋に負担なく見やすいものになるのでしょうか。
ひとつは、“新刊発売や販促情報を見たらすぐに発注できる”流れができていることです。
そうすることで、スピーディーに確認と発注ができます。
実際に直接本屋の担当に聞くと、“ファックス廃止”の意見が圧倒的に多いです。
慣習にとらわれず、やり方を変えていかなければ、業界の発展には繋がりません。
常に方法を刷新しながら、相互のためにやっていくべきだと思います。