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内幕18:返本率を下げられないのは、売れないからだかではない

本屋に売られている本は委託のため、一定期間を過ぎると取次(本の問屋)に返本できる。

出版社や取次にとって、返品される本を以下に抑えられるかが重要となる。

出版社は在庫を抱えなければならなるし、取次は輸送コストなどが掛かるからだ。

業界でこの返本率をどのように下げたらいいのかがしばし議論にあげられる。

返本が多い理由としては様々あるが、最も大きな理由は“売れない”ということだろう。

毎日多くの書籍が出版されている中で、売れない本をいつまでも店頭に置いておくのは、本屋としても嫌である。

スペースを確保して、少しでも「売れる本」「売れそうな本」を並べた方がよいからだ。

しかし実は、意外な返本される理由がある。

それは、取次から本屋に入荷してきて際に“本が傷んでいる”ことによる返本だ。 

僕が色々な本屋を回っていても、声として多く聞く。

ひとつは、PPバンドなどで縛りつけて送っているため、本や雑誌にバンドの跡が残ってしまう。

縛るところをダンボールで保護している場合もあるが、コストがかかるためなのか、手間がこかるてめなのか、保護されていない場合が多いため、返本対象となる。

ふたつめは、ダンボールなどに詰める際に折れたまま重ねるので、角折れや表紙破れがあることだ。

折れていたり破れているものは、当然店頭に並べられないので、入荷しても即返本対象となる。

取次も日々多くの本屋に多くの書籍を届けているので、そこまで手間暇かけることは難しいかもしれない。

しかし、シュリンク包装して固めることや緩衝材の見直しなど検討していかなければいけないのではないだろうか。

本屋に入荷した本の傷みが減ることで、少なからず返本も減ると考えられる。

業界全体として、返本率削減を考えていくのであれば、こうした本屋側の意見もしっかりと聞き、対応していく必要があるのではないだろうか。

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RYUTA|本屋マイスターの道しるべ
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