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内幕15:再販制度は曖昧すぎるおかしな制度
本屋で販売されている本は、価格を自由に決めることができない。
それは、再販売価格維持制度(以下、再販制度)によって守られているからだ。
どこの本屋でもオンライン書店でも価格が変わらないのはそのためだ。
基本的には、値引きも許されない。
しかし、この再販制度にも抜け道がある。
つまり、“値引き”できてしまうのだ。
それが、『外商』である。
『外商』とは、学校図書館や公共図書館に本を納入したりすることである。
外商は再販制度の対象外なのだ。
皆さんの周りにも、小さくてお客もあまりいないのに、長らく経営している本屋があるかもしれない。
そうした本屋は、教科書販売や図書館への外商で成り立っている。
図書への納入は、入札または入札によらない大量一括購入などがある。
ある書店で、行政機関との図書購入について協議した際に、他の書店から「13%値引きして納品できるので切り替えないか」と営業があったそうで、「御社も同等もしくはそれ以上で値引きは可能か」と連絡があったそうだ。
外商は、売上げが上がらず、利幅の改善も見込めず、資材費・運搬費・光熱費の増加により販管費を切り詰める術を見いだせない状況において、かなり厳しいものである。
ただでさえ利益の少ない本屋にとって値引き要請に応じることは不可能なのである。
赤字での取引をしていては、やる意味がないのだ。
そもそも再販制度があるにも関わらず適用外なものがあるというのもおかしな話だ。
再販制度の規定について以下に掲げるものは適用しない。
(1)汚損本の処分
(2)官公庁等の入札に応じて納入する場合
(3)出版業者が、自ら再販売価格維持出版物に付されている『定価』の表示の変更措置をした場合
(4)出版業者が認めた場合における、定期刊行物・維持出版物等の長期購読前金払い及び大量一括購入(官公庁等の入札によらない大量一括購入)
今回のような値引きによる他社の営業活動は、“(4)官公庁等の入札によらない大量一括購入”にあたるのだろうか。
再販制度の定義が曖昧なので、値引き営業が発生してしまうのだろう。
いっそのこと、再販制度があるのであれば、値引きは一切禁止にしたら良いのではないだろうか。
そうして、図書館んは地元の本屋から優先的に順番に納入するようにすれば本屋も残っていけるのではないだろうか。
本屋の減少問題は、紙の本が売れないだけでなく、図書館など様々な課題があるのである。
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