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〜訪問看護師として想う日々のあれこれ。訪問看護師たねあかし〜

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長年、訪問看護師として働いてきた、私自身の仕事観、考え方、私を支えるものなどの話です。
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看護大学の講義にて

当社の訪問看護ステーションは、毎年、看護学科の学生さんが在宅看護実習に来られているご縁があり、今回大学より講師依頼をいただいた。 先日、「在宅看護方法論」の外部講師として1コマ講義を担当させていただいた。 コロナ禍が始まってからの数年間、看護学生さんは以前と同様の臨床実習の機会を持つことや、在宅看護の実習場所の確保が難しい状況が続いてきた。 コロナによって、十分な経験を積むことができないまま国家資格を得る。 そして、看護師として現場に出ていくことへの不安や心配はぬぐえないだ

「遠い」って人それぞれ

訪問看護で必ず確認すること。 ステーションから利用者さんのお宅までの「距離」だ。 新規利用の相談も「すみません、遠方なので対象範囲外です。」 日々の訪問でも「わぁ、遠いですね・・」 なんて発言が、事務所内でチラチラ飛び交う。 遠い=大変? もちろん、訪問の効率や生産性を考慮すると、移動距離は短く・件数は多く。 移動距離が少ない方がスタッフの負担も少ない。 その分利用者さんのお宅でエネルギーを使ってほしい。 訪問看護での訪問先の「遠い」事情はさておき、最近、私の中で「遠い

6月。新しい場所で。

先日、3年と9ヶ月、一緒に働いてきたスタッフの最後の出勤日だった。 彼女はひと呼吸おいてから、 「私はこの会社に入社する前は、しばらく看護の世界から遠ざかっていました。ここに入社して訪問看護を始めた事は、私の人生にとっての大きな転機でした。 『利用者さんの側で近く寄り添える訪問看護って素晴らしい』 と思うことができました。 私はこれからも、もっと訪問看護を学びたいと思います。 ここを出て、違う場所でもっと色々なことを経験し学びたいと思います。 来月から〇〇で訪問看護師として

組織はリーダーの器以上にはならない。

6月から訪問看護ステーションの管理者になった。 風が私のところに吹いてきたので、その風を捉えて乗った。 当社はサテライト事務所も含め、看護師・リハビリの訪問スタッフは100人を超える。 今まで副管理者としてサポートしてきたけれど、管理者となると話が違う。 お受けするにあたり、いろいろ考え悩みもし、責任に対する重圧や不安もある。 実際、正式に引き継いだ6月からはいろいろなことが一気に押し寄せて来た。 管理者の役割とは、リーダーの役割とは何? 訪問看護の勤務が長いせいで、今

「風の時代~」の心の軽やかさ

先日、職場のスタッフがテレビ局の取材を受けた際、私も少し参加させていただく機会があった。 職種は違えど彼女とは入職以来の知り合いで、職場でたまに顔を合わせるとどちらからともなく声を掛け合うような関係だ。 年齢が違うのでプライベートで一緒に過ごすことはないが、彼女の過去の経歴と活躍は折に触れ耳にしていた。 モデル、バックパッカー・・・トライアスロンの選手。 そして訪問リハビリスタッフとして、「元気」を利用者さんに届けている。 「どうして始めようと思ったのですか?」 インタビ

訪問看護は卒業したけれど、桜の季節になると思い出す、KちゃんとKちゃんママの事。桜に誘われて久しぶりに連絡した。 「私も連絡しようと思ってた」とKちゃんママ。 5回目の桜の季節になりましたね🌸 3回目のさくら #note https://note.com/bochibochimaka/n/n385db26a6246

「やめること」を選ぶ時

12月31日。 2020年は、今までに無い様々なイレギュラーを経験した年だった。 「やめること」を選んだこともそうだ。 今年、私が入学準備をすすめていた「2020年度 認定看護師教育課程」はコロナの影響で開講中止となった。 *~*~*~*~*~ 認定看護師は、訪問看護師を始めた頃から長年の目標だったが、結婚・転居・出産・子育て・子どもの受験や進学・仕事と機会をうまく捻出できず、そのままになっていた。 年齢・体力・タイミング的にもこれが最後の機会と、昨年1年かけて準備し受

「無知はひとをころす」ということを覚えておきなさい。

「ねえ、まか。『無知はひとをころす』ということを覚えておきなさい。」当時高校生だった私に、先生が言った。 当時、高校生の私には先生の言葉が理解ができなかったが、30年以上経た今でも折に触れ、心の奥底から意識へ浮かび上がってくる言葉の一つだ。 その言葉と共に、先生の容姿もなぜかはっきりと覚えている。 小柄で色白、黒縁の眼鏡にショートヘア、襟付きのチェックのシャツにアースカラーのチノパンツ、聖書の授業が専門なのになぜかいつも白衣をフワッと羽織っておいた。 女性だったけれど、女性

「私がこれからの人生でやりたい事」2つのうち、叶いそうだった1つが延期になった話。

訪問看護を始めて、かれこれ20年くらいになる。 私は「ただ長く現場での経験がある」ということだけでなく、日々変化していく医療や価値観にに対応できる知識が欲しいと思ってきた。 そして訪問看護師を始めた頃から「訪問看護認定看護師教育課程を受講したい」という思いを常に温めてきた。訪問看護業務実績が3年以上でないと受験資格すらない。カリキュラムは645時間、実習あり、終了後認定試験ありの長丁場だ。 結婚・転居・出産・子育て・子どもの受験や進学・仕事、といったもろもろの状況の合間を縫い

私にできること。

訪問看護ステーションの事務所内でスタッフ同士の濃厚接触を避ける為、事業所の滞在は最小限にし、直行直帰・自宅待機・業務SNSでのやり取りという業務体制を始めてから、もう2ヶ月が経つ。 看護師による訪問看護が必要な方は、「新型肺炎のため利用休止」と言う訳にいかず、私たちは訪問看護を続けている。 しかし、新型肺炎の猛威は一向に衰えない。 連日、メディアから流れてくる状況は厳しさを増すばかりだ。 リーダーから報告があった。 事務所でスタッフがリーダーに向い、 「私が訪問に行っていい

訪問看護師働き方改革

こんにちは。久しぶりの投稿になってしまいました。 訪問看護という仕事柄、身近な問題として2月は新型肺炎の対応に追われてしまいnoteを開くのも久しぶりとなった次第です。 病気を持たれた方への自宅および施設への訪問看護を行うという仕事は、ご利用いただく利用者さんにとっても、私たちスタッフにとっても配慮と工夫が必要となります。 今回は、私たち働く側の工夫について、実際行っていることをご紹介します。(少しでも参考になれば幸いです) ①事務所近隣在住スタッフの自宅からの直行直帰体

訪問看護でお会いして、お見送りをした方々が「自分に何を教えてくれたか」を心に刻み、共に生きるということ

綺麗な三日月の夜に旅立たれた、Mさんの四十九日が過ぎ、私から担当を引き継いでくれたスタッフナースと担当ケアマネジャーの3人で、Mさんのご自宅にお伺いした。 ・・・ ドアを開けた奥様の顔が「ぱっ」と明るい笑顔になり、「わー、懐かしい。来てくれてありがとう。」と私たちを招き入れて下さった。 すっきりと片付けられたリビングには、Mさんの柔らかな笑顔の遺影とともに小さなお仏壇があった。 山が好きで文章を書くことが好きな、Mさんらしい戒名。 最期のとき「夕焼けが見たい」と言われたMさん

ドラえもんにお願いして、タイムマシンで過去に戻ったとしたならば。

「チャレンジすべきか、あきらめるべきか、それが問題だ。」 以前からチャレンジしたいと思っていたが、 今回、私はずいぶん迷った。 やらない言い訳・できない理由がいくつでも浮かんでくる。 出願準備が大変だから。 試験勉強をする暇が無いから。 仕事が忙しいから。 家庭のことや子どものことで大変だから。 疲れているから。 会社に許可を取らないといけないから。 仕事との両立は大変だから。 挙げるときりがない。 「だから、あきらめよう。」と自分で自分に言い訳を探した。 だけど、私は受

1杯のコーヒーのような、看護。

今回の退院時カンファレンスは2時間に及んだ。 私はカンファレンスの後、病室で待つYさんにご挨拶をし 「それでは、次はご自宅でお会いしましょうね。今日はありがとうございました。」と病室を後にした。 病院玄関を出た頃には、すっかり日が落ちていた。 自宅退院をされ訪問看護を希望される方の支援として、入院中に病院に伺い、退院に向けてのカンファレンスを行うことがある。 病院の主治医・病棟看護師・理学療法士・ケースワーカー、ケアマネジャー、訪問看護ステーションスタッフ、訪問診療の医