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エッセイ

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#エッセイ

あの夏の一瞬

全てのやる気を奪うような退屈な夏休み。

母方の祖父母と母たち三姉妹、その子供達で、淡路島の古くて大きい民宿に一泊するのが恒例行事となっている。

その民宿は、海水浴場から道路を挟んだ先にある。くねくねとした急な細い坂道を登った先にある。もうずっと使われていない畳の部屋がいくつもあって、お仏壇と扇風機が薄暗い部屋の隅に追いやられていた。そこから渡り廊下を渡った先がいつものところ。海に面した横長の部

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溜まった疲労と我慢と共感

 仕方のない事とわかっていても、疲れは溜まってしまうんだよな。

 加えて生理が始まれば無理は良くないからとゴロゴロだらだら。こんな調子だから、からだのあちこちで不調をきたしてくる。

 先日夫が休みに娘をつれて外出してくれたので、整体院で見てもらった。ストレートネック寸前で頸椎が異様なずれ方をしてそれが神経を圧迫しているとの事だった。

 胃の不調も言い当てられ、からだの左半身が比較的強張ってい

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ダークファンタジーの世界を生きる

 こどもの頃から、ファンタジーな世界はあるような気でいた。サンタクロースもいると思っていた頃もあるし、魔法や占いなんかも大好きだ。

 クリスマスが近づく頃、ネットで世間の親はサンタクロースの存在について、子どもにどう伝えるかというような記事をいくつか見つけた。

 その中で、サンタはいないと教える方針の方の話があった。現実はファンタジーではない。ファンタジーと現実をごちゃ混ぜにしたような世界を信

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6才のこどもの想像力をはばたかせてみる。

 娘の将来の夢は絵本屋さんだそう。どうやら自ら絵本作家となって自分の絵本を売るらしい。

 本好きな子になってくれたら素敵かもしれないとは思っていたけれど、必死に絵本の読み聞かせをしていたわけではないので、おそらく私の影響だ。公園で遊ばせている間の待ち時間が退屈で辛かったのでしょっちゅう図書館へ連れて行っていたし、本屋さんのあるショッピングセンターへ行けば必ず一度は本屋さんへ寄る。

 最近読んだ

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眠れない夜のとっておきのレシピ

眠れない夜のとっておきのレシピ

 最近眠れない夜が続いていて、こんな夜はホットミルクを飲む。これを飲むと決まって思い出す話がある。

 私が4才か5才の頃まで、父は和室に布団を敷いて寝ていたような記憶があるのだけれど、いつしかリビングでテレビや電気を全てつけっぱなしで眠るようになった。

 ときどき、夜中に怖い夢を見て起きてしまったら怖くてどうしようもない気持ちになる。

 そんなとき、リビングに行けば『どうしたん?怖い夢でも見

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育まれる場所

育まれる場所

 植物が好きなんだけれど、ずぼらで飽き症だから維持管理できない。いよいよサボテンまで枯らしてしまった時は、「あぁ、向いてないんだな…」と、とても残念に思った。お祭りでもらった金魚も死なせてしまった。

 幼稚園で飼われていたメダカがいつのまにか子どもを産んでいて、その子どもがまた子どもを産んで増殖していた。それを見てやっぱり"育まれる場所"なんだなぁと思った。

 それから中古マンションを購入して

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8年前の『Philosophy』ノートブック

8年前の『Philosophy』ノートブック

 アパレルのアルバイトをしていた頃、自己啓発本にはまってたくさん読んでいた。(懐かしい…しかもなぜかこういう本を読んでたとか言うの恥ずかし…)

 専務とのミーティングで本の話になり、フリードリヒ・ニーチェをオススメされた。当時流行っていたので、存在は知っていたけれど手に取ったことはなかった。その日の帰りに、駅の本屋で買って読んでどハマりした。ハマりすぎてEvernoteに専用のノートブックを作っ

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ママ友ゼロ。人見知りをやめたらママ友ができたハナシと考察

ママ友ゼロ。人見知りをやめたらママ友ができたハナシと考察

■はじめに まず私は5才の幼稚園に通う女の子のママだ。つまり5年以上、たっくさんの人に出会う機会はあったのにママ友はゼロだった。

 しかし考え方を改めたことで人と気負わず話せるようになってから、およそ3ヶ月でママ友ができた!

 正直コミュニケーションスキルは変わっていない。にもかかわらずママ友ができた理由を考察してみる。

■ママ友が欲しいと思ったきっかけ! 昨年、住宅購入を機に幼稚園に転園し

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深海魚

 昼下がり。15時を過ぎた頃に、眠気がやってきた。眠りに落ちるとき、体が沈むような感覚がする人がいるそうだけれど、私は深海を泳いでいる感覚になる。

 そこは時間が止まったように揺るがず、何も聞こえない。視点を高くしていけば、私は女性で、人で、生物だ。仲間はたくさんいるけれど、この深い海で私はひとりでいる。

 孤独であることは私を落ち着かせてくれる。誰も私を傷つけることはできないし、誰も私を救う

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気分の波がnoteの更新頻度

気分の波がnoteの更新頻度

 こんな調子でnoteを開く気にもなれず更新が滞った。毎日更新しようと決めたはずなのに、なんとかnoteを開いたところで一瞬で閉じるのを何度か繰り返しては憂鬱な気分になった。

 このままnoteから離れていってしまうのかな、noteを始めたときはあんなにワクワクしたのに…と思っていたけれど、いざ日常が始まってみれば自然とこうしてここに書き込んでいる。

 するするとすべる指から浮かび上がった文章

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考えてみるといいかもって事リスト

考えてみるといいかもって事リスト

日本人はお金を持っていないと幸せになれないのか?
 この一文を見てハッとした。近頃、自由にお金を使って預金残高が減った。このことで将来の不安を連想させてお金を得るには…なんてことばかり考えていたから。

きっと今の私に必要な問いかけはこんなのだ。

■お金を使わない幸せってどんなの?■そもそもお金ってなに?■ほんとに必要なものってなに?■自分を幸せにする方法ってどんなものがある?■そもそもどうした

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はじめのだいいっぽ

 へぇーいいなぁそれ。なんて何の気なしに思うけれど、重い腰が上がらない。noteの#一駅ぶんのおどろき もそのひとつだ。物語を妄想してはみたものの、夢の中で見た話のようにぼや〜っとしている。

 ヨイショッとするだけで後は楽になったりするもんだけど、その第一回目のヨイショに割と気力体力がいるからめんどくさい。

 子どもの頃からめんどくさいが口癖で、あまりにもめんどくさいばかり言うもんだから母に怒

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noteを始めて今日でちょうど3ヶ月

noteを始めて今日でちょうど3ヶ月

 お絵かきが好きな娘は何を描こうかなんて迷わない。好きに書いていいよと言われなくても自由に描く。私もお絵かきが大好きな子どもだったし、まだ何も書かれていない真っ白なページは私をわくわくさせてくれた。

 小学校に入れば、文房具屋さんのノートコーナーにわくわくした。まっさらなノートがいくつも並んでいて、どれに何を書くかは私の自由なんだ。それが嬉しかった。

 noteを知ったとき、まっさらなノートを

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悲しいときこそ筑前煮

悲しいときこそ筑前煮

 年が明けたら夫の実家へ挨拶に伺うのが毎年恒例で、いつも料理上手な義母がテーブルいっぱいに手作りのお節を作って待ってくれていた。今年も楽しみにしながら伺った。

 けれど家族が増えたこともあり今年は仕出のお節だった。もちろん美味しかった。手作りのエビフライも、豚カツもめちゃくちゃ美味しかった。

 だけど私は何よりも筑前煮が食べたかった。亡くなった祖母が元気だった頃、いつも親戚が集まればテーブルい

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