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近年パーパスという言葉が注目されています。たしかに私もその意義は解ります。

そしてDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの2022年6月号はパーパス経営がテーマでした。

パーパス経営について様々な論文やインタビューが掲載されております。ひとつずつ振り返ってみます。

3種類のパーパス

パーパスは自社が社会のために行う活動という意味合いが強いです。社会のためにというところがポイントです。しかしあらゆる会社が社会事業をやっているわけではありません。

「パーパス策定の原則」という論文では、パーパスに3つの意味があると言っています。

社会的事業をやっているわけではない会社は文化的パーパスを選べばよいとのことです。仕事上の規範や多様性を強調すればいいというわけです。

例えばジョンソンエンドジョンソンの我が信条です。自社はこういうことを心がけて仕事するというものですね。

他にもコンピタンス型のパーパスもあるようです。自社の製品やサービスで顧客に貢献するみたいなイメージですね。

パーパスは胡散臭いものであってはいけません。理想を掲げただけで、実際はそうなっていないではいけないのです。

ディープパーパス

パーパスは理想であってはいけません。パーパスと利益の両立について説くのがこの論文です。

長期的目線を持ち、短期的には利益重視か社会貢献重視に偏ることはあっても、最終的にはパーパスと利益を両立するように進めていくという話です。

トレードオフはどうしてもあるので、最初から理想を実現するのは難しいです。だから最初は社会貢献か利益のどちらかが犠牲になることはあるのだなと知りました。

そして何より長い目で見て粘り強く進めていくことも必要だなと感じました。粘り強くエコな包装容器を追求した企業や、一時的にはリストラを行ったが、後々大きく成長した企業が紹介されています。

理想を極度に追求するのではなく、地に足つけて粛々と、長続きする方法で理想を実現しようとのことです。

パーパス主導で職場変革を実現する方法

ユニリーバではパーパスの範囲を、ブランドだけだったのを雇用関係にまで広げたそうです。

そうすると自社の価値観に合った人を採用しやすくなります。方向性が決まりますので。

それだけでなく、正社員以外の雇用形態の従業員や外注先にも配慮できるようになります。例えばギグワーカーにとって支払期限は重要です。

自社と価値観が合っていると感じているギグワーカーは、自社のプロジェクトを優先的に選んでくれるため、このような配慮が効果を発揮します。パーパスによって各雇用形態の従業員やギグワーカーを含めた外注先との関係を築くわけですね。

アジャイルでパーパス型組織に転換する

有意義な人生を送ろうとする人は、精神的により健全で、レジリエンスに優れ、意欲が高いそうです。また肉体的にも強く長生きで、家族、友人、そして社会全体に大きな貢献を果たすそうです。

つまりパーパスを持って生きた方が健全なのです。

アジャイルのDIY精神を発揮して、自分たちのグループの働き方を変えて行こうという論文です。アジャイルを採用している部門の方が、より高い目的意識、互いへの経緯、共感力、自律性、学習と成長に対する情熱を持っているそうです。

パーパスを持ったビジネスを作るにしても、複雑で未知の変数が沢山あります。よってアジャイルのような変化に対応できる柔軟な方法が効果的なわけですね。

さらにはアジャイルは競争よりも協調すなわちチームワークを優先するため、機能横断的な連携も多いとのことです。サイロ化した組織内のチームよりも高い成果を上げられるでしょう。

アジャイルはこんなところにも登場するのですね。とはいえ私はやったことがないことはアジャイルの方が適切だと考えています。

共振の経営

ユニ・チャームの事例では、パーパス及び経営陣と現場の話がでてきました。

共振の経営とは、経営者は現場にいって一次情報に触れて、それを経営に生かすと同時に、現場の従業員も経営陣の方針を理解し、その視点で考えて行動することだそうです。

大きな会社では、経営陣と現場は遠くて、正しく情報共有されているかは解りません。経営陣が理想に基づいたノルマを押し付け、現場は都合のいいことだけを上に報告するというのはありがちな話です。大きな会社ほど大きな壁があるでしょう。

説得と納得は違うという話も面白かったです。上が命令すれば下は一応言うことを聞きます。これは説得です。しかし本人が腹落ちしているかどうかは別問題です。これが納得です。

大きな会社では価値観のようなものを作って、会社と従業員それぞれのパーパスのベクトルを合わせていくことも考えないといけないのですね。一方的な押し付けは多そうです。

パーパスは経営者が現実逃避するための手段ではない

サイバーエージェントの創業社長が久々にインタビューに登場しました。

ベンチャーの初期では会社を大きくすることや、自分たちのビジネスがどんどん受け入れられていくことが楽しいのでしょう。私はかつてベンチャーにいたとはいえ、拡大できずに終わったので想像ですが。

会社は大きくなると入ってくる人が変わり、組織の構造も変えていく必要性が出てきます。小さい会社では色々やりたい人や、会社を大きくしたい人が入ってきます。しかし大きくなると、スキルを活かしたい人やいわゆるエリート系の人が入ってきます。

このインタビューで何より重要な話は、理想の高いパーパスを掲げるよりもまずしっかり稼ごうということでしょう。稼げていない会社がパーパスを掲げても上手くいかないですから。

そして現実のビジネスは泥臭いという話も出てきます。教育産業は理想が高い人が集まっているけど、実際には訪問販売やDMを何度も行って泥臭く地道に集客していくそうです。社会性が高く理想が高い人が集まる業界でも、地道で泥臭い作業は必須なのです。

だから綺麗ごとを言っているだけでなく、しっかり結果を出そうということです。肝に銘じておきたい話ですね。

終わりに

パーパスという言葉は定着してきたように感じます。しかしまだまだパーパスの意味や役割は曖昧だなと感じています。

今回はパーパスを決める方法や実行する方法について情報が得られる特集だったと思います。

私もいずれは独立に興味がありますし、個人で色々やってみたいと思っています。だから自分の活動にパーパスを定義してみたいですね。

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