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九段下パルチザン / ビブリオテーク・ド・キノコ・マガジン

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2020年2月の記事一覧

変異 | weekly

変異 | weekly

「本能と言ってしまえばそれまでなのだが、自分でもなぜそうしたいのか分からない衝動に駆られる時がある。遺伝子に組み込まれたとか、生命力とか、言い方は色々あるらしいが、内から湧いてくる何かに突き動かされるという瞬間がある。脳の活動の大半は自覚ができない無意識レベルのものだという話もあるけれど、確かに自分が何をどう動かして歩いたり読んだり食べたりしているのかというのは説明もできない事が多い。医者や学者で

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ヴァリアス・ヴァイラセズ・ゴー・ヴァイラル。|weekly

ヴァリアス・ヴァイラセズ・ゴー・ヴァイラル。|weekly

今週は、うでパスタが書く。
特に謝罪の意図はないが、不要不急の温泉旅行で伊豆へ行っており更新が大幅に遅れた。当たり前だが魚がうまかった。肉もうまかったが、まぁ日本はどこへ行っても肉はうまい。

ウイルスがいかにたやすく国境を越えるか、というような話については過去にブログに書いたので、ここでは繰り返さない。たしか、それは戦争と同じで、祈ることはほとんど役に立たないというような話だったと思う。いま文章

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集積 | weekly

集積 | weekly

「郵便局で働いていると頻繁に奇妙な人に出会う。特に夜勤の窓口を担当していると、普段どこにいるのだろうと思うような奇特な人間に遭遇する。奇特な人間は夜に紛れて行動する。人気の少ない路地を抜け、省エネのために薄暗くなった郵便局にやってくる。出入り口は夜間用の狭い扉しかなく、廊下もどこかよそよそしい。夜行性の動物に特有の動き。眼光は鋭かったり、反応が悪いわけでもない。目は合わせない。何かを探しているのか

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市民、銃声を聞け。慟哭を。|weekly

市民、銃声を聞け。慟哭を。|weekly

今週は、うでパスタが書く。

Bibliotheque de KINOKOというこの図書室の屋号を、ウィークリー・マガジンのタイトルを読めず、「びぶりお何とか」と言及しているひとがかなりいることが分かってきた。嘆かわしいというほかはない。

もとより読者の知性にあわせるようでは本末転倒の謗りを免れぬ本noteであるからに、知らぬ顔でつづけることにもまた一片の理(ことわり)があろうというものだが、と

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probability | weekly

probability | weekly

「無限に存在する可能世界の中から今ここが選び取られている。とはいえ、ワタシは今ここにしかいないので、別の可能世界のワタシにとってはそこが今ここになるのだろう。ワタシがワタシではない世界もあるのか。同時に複数の世界に存在することはできないので、あくまで想像の話になってしまうけれども、今ここにいるワタシから無限に分岐していくワタシの世界。そして今ここに収斂するワタシの世界。ただ一点に定まるこの無限の可

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