ノストラダムスを信じて貯金をしなかった話
はずれた予言が招く未来
1999年、世間はノストラダムスの大予言で大騒ぎでした。正確にはその10年前くらいから毎週TVでは「恐怖の大王が空から降ってくる」なんて言われ、僕も信じきっていました。1995年にはアルマゲドンやインディペンデンスデイなどのUFOから攻められる系の映画も急激に多くなり、政府が来るべき宇宙人の襲来に対して警鐘を鳴らしてるなんて言われており、20代の僕はどうせ世界が終わるんだから、貯金なんて無意味だ!そう思っていました。
来なかった恐怖の大王
ところが無慈悲にも1999年を無事に乗り越え、世間では終末論を囁く人も少なくなり、ミレニアム「2000」なんてふざけたメガネをかける人たちで溢れました。大王、どうした?まだ来ないのか?
そして僕は2000年に結婚することになりました。
当時、結婚をするにあたり、彼女から「貯金はいくら?」と聞かれ、「先週給料日だったから18万円!」と胸を張って答えたところ、ため息をつきながら「それは貯金じゃなくて残高でしょ」と一刀両断。
なるほど、残高と貯金は違うのか。
僕の貯金が無いのは僕の責任ではなく、ノストラダムスのせいなのですが誰も責任は取ってくれません。ダムスめ!
予言を諦めない人たち
その後も、世間には予言の話があふれていました。「いや、本当は2002年なんだ」とか、「実は2012年のマヤ暦が本番」だとか。年数が変わるたびにまた予言が囁かれましたが、僕はもう惑わされません。ちょっと遅れましたが大人になりました。ノストラダムスの予言は外れるし、小室哲哉の人気は一生続きません。キバヤシ、恐怖の大王は来ないよ。
それにしても、あの派手な予言が外れたのに、誰も怒らないのは不思議です。今の世の中ならどうなるのでしょう?当時、毎週のように特集されていたテレビ番組も、検証されることなく記憶の片隅に消えていきました。あの頃の未来を一緒に信じていた人も、今や何事もなかったように過ごしているんでしょうね。
あの頃の僕に伝えたい。「恐怖の大王は来ませんよ、貯金しなさい、恐怖の大王より怖い大王に支配されますよ。
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