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ストレスは意識でコントロールできる?
今回は、多くの人が日頃何かしら感じているであろう”ストレス”について💭
私たちの身体は外から何らかの刺激が与えられると、身体を守るために防御反応を起こすのですが、この生体反応のことを「ストレス」、そしてストレスを引き起こす原因となった刺激のことを「ストレッサー」と呼びます。
(ストレスとストレッサーの両方をあわせて「ストレス」という場合もあります。)
【ストレッサーの種類】
◎環境的なもの:気温・気圧・紫外線・騒音・有害物質・人混みなど
◎身体的なもの:怪我・病気・疲れ・睡眠不足・空腹など
◎心理社会的なもの:人間関係・緊張・不安・悩み・プレッシャーなど
このように、ありとあらゆるものがストレッサーとして私たちの周りには溢れていて、全てを回避することは困難です。
そしてストレスは私たちが生きている限り当たり前に存在するものなので、全てを悪者と捉えてしまうのも適切ではありません。
問題となるのは、私たちがストレスを受けたときの対応を間違えてしまい、ストレスが解消されないまま日常生活に支障をきたしてしまうことなのです。
ストレスを感じたとき、まず脳の扁桃体という場所で”このストレスは私にとって問題あり?問題なし?”というジャッジが起こります。
そこで問題のないストレス(例えば適度な緊張やプレッシャー)だと判断されれば、このストレスはこの時点でストップして解消することができます。
しかし、問題あり!と判断されると、ストレスがかかったことが全身に伝えられ、ストレス状態が長引けば長引くほど免疫の異常やホルモンバランスの乱れとなって様々な症状や病気につながってしまいます。
捉え方を変えると、私たちはストレスがかかったときに自分の意思でそのストレスが自分にとってポジティブなものか、ネガティブなものかを選ぶことができるのです。
ストレスをポジティブなものとして受け止めるためには、
①まずストレスを感じた自分の気持ちを認識して、認める
②一見ネガティブに思えるようなことも、「違う見方をしたら、こんなことが得られた・分かった」などのようにプラスの思考転換をする
この2つを意識することで、だんだんと問題ありのストレスと判断される回数が減っていき、ネガティブに考えがちな思考のクセを修正していくことができます。
とは言っても、とっさにそんなに余裕を持って考えらず、問答無用で強いストレスがかかってしまうこともありますよね。
漢方ではストレスが溜まり気が巡っていない状態のことを「気滞」といいますが、これを改善する食事やツボなどいくつかの方法を紹介します。
<ストレスが溜まったときにおすすめの食事>
◎少量ずつ、沢山の食材を食べる。
◎紫蘇、セロリ、ニラなど香りの強い野菜やハーブを使った料理を食べる。
<おすすめの食材>
野菜:春菊、セロリ、キャベツ、ニラ、ネギ、小松菜、大根、三つ葉、紫蘇
果物・木の実:みかん、グレープフルーツ、柚子、金柑、キウイ、ライチ
調味料・スパイス:生姜、にんにく、胡椒、フェンネル、八角
<効果的なツボ>
・太衝
・百会
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また、ストレスが溜まっている人は確実に身体が硬くなっているため、
身体の横、「脇」を伸ばしたり叩いたりするのがおすすめ!
体側を伸ばしたり、手の届く範囲で身体の側面をトントンと叩くと気が巡ってストレス解消につながります。
また、背中側の腰の少し上あたりを上下にさするだけでストレスホルモンのコルチゾールが出ている副腎を労わることもできます。
私もよく職場で体側を伸ばしたり身体の横を叩いたりしていますが、本当にリフレッシュになるから不思議。騙されたと思ってぜひやってみてくださいね。
最後に一つ、ストレスの観察・対処を繰り返し、適した対応力を身につける方法として「コーピング」を紹介します。
《 コーピングの方法 》
①できるだけたくさんの気晴らしを書き出す
内容は質より量が大切で、目標は100個。
どんなに些細なことでも日常生活でこまめに実施できるものが役立ち、手段は多ければ多いほど、具体的であればあるほど効果的です。
また、具体的な行動に限らず、何かを思い描いたり、空想することもストレスには有効です。沢山のお金がかからず、身体にも負担がなく、周りに迷惑がかからない気晴らし方法をたくさん書き出しましょう。
(例:本を読む、好きなスイーツを食べる、友達と思い切りおしゃべりをする、たくさん昼寝をする、次の休みの予定を立てる、お花を買う など)
②作った気晴らしリストを持ち歩く
ストレスがかかったら、なるべく早く対処して積み重ならないようにすることが大切。ストレスを感じたときにその場でリストの中から出来ることを選んで実行できるように、気晴らしリストを持ち歩きます。
③ストレスを客観的に観察する
コーピングするときは自分に今どんなストレスがかかっているかを客観視し、それに対してどんなストレス反応が出ているかを観察することが大切です。肉体的なストレスには心を鎮める方法を、精神的なストレスには身体を動かす方法を選ぶと効果を高めることができるからです。
あまり効果を感じられないときは他の方法を試したり、リストの内容を更新したりしてみるといいかもしれません。
これまで紹介した方法などを取り入れながら、ストレスと上手に付き合っていきましょう🌿