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最近読んでいる本(25) #316
読んだ本のストックがたまってきたので感想を書き残したいと思います。
関心領域
マーティン エイミス (著)、北田 絵里子 (翻訳)
↑ナチスドイツ時代の強制収容所に関わる将校、ゾンダーコマンドなどの収容所の外の視点から描かれる世界。映画を観損ねて原作から読んでみたものの、内容が違うとのことで映画をより観たくなりました。収容所の中での悲惨な出来事も、それ以外の私生活や色恋沙汰などにしか興味を示さない将校たちのやりとりに感覚が麻痺している感じや恐ろしさを感じました。ゾンダーコマンドが同胞をガス室送りにする場面などは心が痛みました。戦争というものは人を狂わせるなと改めて思いました。
グラスホッパー
伊坂 幸太郎 (著)
↑伊坂幸太郎さんの作品は初めて読みました。妻の復讐を誓う鈴木、自殺をさせる鯨、ナイフを使って人殺しをする蝉がそれぞれの視点で物語が進み、どんどんそれらの話が集約してきます。少しずつ話が繋がってくるストーリーの流れは「この後どうなってしまうのか!?」とかなりドキドキしました。鈴木の存在が自分たちのような平凡な人間の気持ちを代弁しているようで、世界観に没入し、自分もそこにいるかのような緊張感を味わいました。この先どうなってしまうのかと先を読むのが楽しみになり、飽きることなく最後まで一気読みしました。(えりさんおすすめの本😊)
家守綺譚
梨木香歩 (著)
↑駆け出しのもの書きである綿貫征四郎が、早くに亡くなった学友の高堂の実家に「家守」として住まい、そこで起こる数々の不思議な出来事について書かれています。不思議なこと、奇妙なことがたくさん起こり、河童が出てきたり、小鬼、人魚が出てきたりしますが、征四郎も周りの人々もそれを受け入れて話が進むのが面白いと思いました。そして章の名前はすべて季節の植物であり、四季や植物、空気、生き物を透明感のある表現で綴っており、読んでいて「綺麗だな」と感じました。言い回しが独特。もう一度読んで理解を深め、世界観をゆっくり味わいたいと思いました。
アウシュヴィッツの小さな厩番
ヘンリー・オースター (著)、デクスター・フォード (著)、大沢章子 (翻訳)
↑ナチスドイツ時代、ホロコーストにより家族を失い、ひとりで絶滅収容所を生き延びた少年の話。ノンフィクションであり、すべてが生々しく書かれています。ナチスドイツのことで書かれている本のなかでもかなり具体的に、そして隠すことなく真実をそのまま伝えており、残虐で理解が追い付かないような事実を細かく綴っています。ひとりの少年に起きたさまざまな苦しい出来事とそこでの幸運にハラハラしながら一気に読み進めました。このような事実は知るべきことなんだと改めて強く思いました。衝撃的な内容も含め、かなり心に残った本です。
ごはんが楽しみ
井田千秋 (著)
↑ご飯のイラストが美味しそうで、食欲をそそられます。井田千秋さんのイラストはあたたかみがあり、見ていてほっこりするのでとても好きです。ご飯のこと、ご飯のお供(箸置き、テーブル)など、たくさんのご飯にまつわるエピソードをイラストと共に描いており、こんな丁寧な暮らしや料理がしたいと思わせるような素敵な本でした。コーヒーのことについても描かれており、コーヒー好きにもとても刺さるしほっこりする内容です。癒されたいときにゆっくり読みたい本です。
よむよむかたる
朝倉 かすみ (著)
↑「坂の途中で本を読む会」という月1の読書会で高齢者たちが繰り広げる会話と、書けなくなった作家の安田の気持ちの揺れ動きがポップで楽しいです。時折高齢者の言動にびっくりすることもありますが、皆好き勝手話してる様子がほほえましいです。読書会を開催している身でこの本を読み、こうやって好き勝手話す会も楽しそうだなと思いました。いろんな伏線も最後に回収していくので、モヤモヤすることなくすっきりとした気持ちで読めました。
もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX
神田桂一 (著)、菊池良 (著)
↑前作を読んでの今作を読了。前作同様、「カップ焼きそばの作り方」をいろんな文豪が書いた世界を体験できます。まだまだ知らない作家さんや書き手の方がたくさんいるなぁと実感しながら楽しく読みました。元ネタの作品を知らない方も多かったのですが、「こんな感じで書いてる人なんだ」とそれぞれの特徴を知るきっかけにもなって面白いなと思いました。作家だけでなく有名人やガチャピンムック、論語、2ちゃんねるまで出てくるのは笑ってしまいました。この本を読んだのをきっかけに知った作家さんも多く、その方たちの本も読んでみようと思いました。たくさんの刺激を受ける本です。
TUGUMI
吉本ばなな
↑吉本ばななさんの作品は初めて読みましたが、澄んだ綺麗な情景が頭のなかに浮かび、夏の海やそこでのつぐみ、まりあ、陽子ちゃん、ポチなどの登場人物のやりとりが鮮明に映し出されました。体の弱いつぐみが力強く生きている様子がミスマッチであるのがなんだか新鮮で、インパクトを残してくれる存在でした。全体をとおしてとても綺麗な作品だなと思いました。きっと何年後かに読んでも、同じようにスーッと心に染み渡るような感覚を覚えるだろうなと思いました。あえて時間を空けてからまた読んでみたいです。(ポッケさんおすすめの本😊)
テロルの決算
沢木耕太郎 (著)
↑“浅沼委員長刺殺事件”について書かれており、浅沼稲次郎氏のことも山口ニ矢氏のことも知らず生きてきたので、この本を読んで事件のことを初めて知りました。双方の生い立ちや私生活のことを読み進め、事件が起こるまでのさまざまな動きがあったことを知りましたが、事件が起きてしまうことで一気に虚しい気持ちになりました。今もこのような事件が起こりうることに対する恐怖心もあるし、山口二矢氏のような素直そうな人物であってもこのような思考に至ってしまうことにも恐怖を感じました。この本を読み終えたあと、なんとも言えないような言葉にするのも難しい感情がわき上がってきました。(ポッケさんおすすめの本😊)
人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 20代で身につけたい本の読み方88
千田琢哉 (著)
↑読書をすることの楽しみや目的を改めて気づかされる本でした。読書をすることは義務ではないですが、本を読む人と読まない人ではコミュニケーション能力や考え方に大きな違いが出てくるとのこと。印象に残ったのは、「群れる人よりひとりで読書をする人が成功する」という内容のもの。傷を舐めあったり、同じくらいのレベルで群れていることに新たな発見はないが、読書から得られるものはたくさんあり、自分を成長させるということにハッとしました。また、読んだ本について他の人と話すことで知識や記憶が整理されるとのことで、読書会という場はいいなと改めて感じました。
しずかなおはなし
サムイル・マルシャーク (著)、ウラジミル・レーベデフ (イラスト)
↑読んでいるとスッと音が消えるような感覚になる、とてもしずかな世界のお話。ハリネズミの歩く音「とぷ とぷ とぷ」がかわいらしくも独特の表現で一体どんな音なんだろうと考え、引き込まれました。サムイル・マルシャークさんの他の作品もどのような感じなのかとても興味をもったので、ぜひ読んでみたいと思いました。
他に読んだ本、今読んでる本、これから読む本↓
今月もオンライン読書会があり、読みたい本が一気に増えてしまって読む速度が追い付かないのですが、ゆっくりおすすめいただいた本を読んでいこうと思っています。
ここに記載していない皆さんのおすすめの本たちは、図書館にもなかったり予約し順番待ち状態だったりで、いろいろ探しているところです。
他にも読みたい雑誌があったのですが、私の住む地域の本屋にはなく購入できなかったので、電子書籍を購入しました。
↓あまから手帖2025年2月号「Coffee.」
さまざまなコーヒー屋さんやコーヒーにまつわるお話が詰め込まれていて、コーヒーを飲みにいきたくなるし癒されます。
読んでいて行きたいコーヒー屋さんを見つけたり、ほっこりした気持ちになったり、また出た!オオヤミノルさん!と驚いてみたり、楽しい一冊でした。
真冬の珈琲特集も3年目、あったかい店まだまだあります。
今回は京阪神のコーヒーショップはもちろん、足を延ばしてでも行きたい郊外の店情報もたっぷりと紹介。旅行ライター石田ゆうすけさんが発見した「丹波篠山のメキシコ」、木村衣有子さん著書『コーヒーゼリーの時間』の続きを関西で。城崎温泉のお隣、深煎り文化が根強い豊岡で遊ぶ旅に加え、滋賀や和歌山の実力店も登場。
そのほか、ほぼ24時間体制の謎多き店「ザ・ミュンヒ」の過剰な珈琲愛、神田桂一さんが綴る銭湯とコーヒー牛乳の思い出、カフェで楽しむアイリッシュコーヒーに、飴ちゃんまで手広く掘り下げました。
愉しく、おいしく、ライトに、マニアックに…今年の2月も珈琲愛で乗り切りましょう!
他にも私の住む田舎では雑誌「BIRDER」が手に入らない悔しさに悶えております。
読みたい本で溢れており毎日少しずつ読書をしていますが、他のこともやりたいので、時間をうまくつかいたいと切実に思っています(泣)
読んだ本がまだたくさんあるので、また近いうち読書感想を書きたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。