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孤独と芸術

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孤独と芸術

孤独と芸術

 本当の前置き
 これはわたしの高校時代の卒業論文を一部改変し、文章にしたものです。

背景・動機・前置き

 美術、音楽、文学...分野に関わらず、歴史に名を残す芸術家たちの生い立ちや生前をみるとき、彼らの描く華やかで麗しい幻想的な世界とは裏腹に、作家自身は凄惨な最期を迎える者が多い。酒・薬漬け、精神疾患、他の人間を信頼できない又は依存する、等。
 現代においても創造的な人間は“闇”を抱えてい

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孤独と芸術 6

孤独と芸術 6

意識の存在―心理学

 ではそもそも意識とは何なのであろうか。

心理学において、意識とは表層にあらわれている部分、「顕在意識」と、奥深くに眠っている部分、「潜在意識」とに分けることができると考えられている。私たちが認知でき、コントロールができるのは「顕在意識」の部分のみで、全体の意識の中のたった一割であるとされている。

 「意識」を図に表すとこのようになるのだが、実は「潜在意識」のさらに奥に、

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孤独と芸術 7

孤独と芸術 7

観察者の“意思”が実験結果を確定する?―物理学

※シュレーディンガーの猫についての説明になります。知っている方は飛ばし読み可。

 人間の意識がダイレクトに物質世界に影響を及ぼしている、というのはここ最近の科学の世界での新常識である。
 その話をわかりやすく説明するのに「シュレーディンガーの猫」という有名な思考実験がある。
 箱の中に50%の確率で毒ガスが噴射される装置とともに猫を入れたとき、ど

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孤独と芸術 8

孤独と芸術 8

原意識の存在―心理学

 さて、ここまで人の意識が物質世界に及ぼす影響についての説明を行なったが、人が認識している意識は氷山の一角…と先ほどにも述べた。おさらいをすると、話しているうちについつい目が動いてしまうなどの無意識的な動作や、睡眠中に見る夢の分析、何かを選択するときの思考パターンなど、実は我々の行動の90%は無意識のうちに行われていて、潜在意識の影響力は凄まじいとされている。つまり、我々が

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孤独と芸術 9

孤独と芸術 9

そもそも芸術とは

 辞書より
―文芸・絵画・彫刻・音楽・演劇など、独得の表現様式によって美を創作・表現する活動。また、その作品。
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孤独と芸術 22

孤独と芸術 22

まとめー芸術とは

 私たちは、生まれてから死ぬまで孤独である。孤独は精神的な豊かさをもたらす反面、苦しいものでもある。しかし同時に、我々は孤独だからこそ、他者とわかりあいたいと願うのだ。孤独な人生の中でも、節々で他者とわかりあえる瞬間がきっと訪れる。芸術とは、自分の内にあるものを表現した何かではない。絵も音楽も写真も言葉も「美」を宿した媒体にしか過ぎない。表現者と鑑賞者の意識、または魂が共鳴する

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孤独と芸術 24

孤独と芸術 24

研究修了時点での結論
 以上の知識を踏まえ、私はこのように考えた。
①全てにおいて美であるかどうかは「美である可能性」として存在し、絶対的ではない。それを決定づけるのは受信者である「人間の意識」であり、人間は互いに固有のチャンネル(波動)を持っているため、「観測」されて初めて美であるかどうかの判断がその人自身の内なる働きによって行われる。
②物質世界を認識している部分が個体の脳として存在しており、

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