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純靄禾
2024年11月25日 19:30
歳を重ねるごとに誕生日の過ごし方がわからなくなっている。 毎年の誕生日を“誰かに祝ってもらう”ことが確定しているわけではないわたしみたいな人間は、どうその一日を過ごすかを自分が考えてあげなくちゃ、ただ孤独を感じる一日になって、特別さが薄らいでいく気がする。わたしはいくつになっても自分の誕生日にうきうきしていたいよ。 そんなわけで、今年の誕生日、わたしはずっと念願だった免許合宿に行くことに
2024年1月16日 04:35
どんな人に出逢っても、どんなに好きなものに囲まれても、ずっとむかしにぽっかり空いた心の穴が塞がらないまんまだって? おめでとう、それは心の穴なんかじゃない、ブラックホールの赤ちゃんだ。君が発している引力のこと。 ブラックホールは、光すら脱出できないんだって、絶望みたい。でも、ブラックホールに呑み込まれる宇宙の塵たちは、最期の一瞬、あまりの熱と引力に宇宙で最も輝くらしい。もしかするとその光
2022年12月13日 20:23
なにかに感動したり、ときめいたりすることがめっきり減った。 以前はどんなものにも心の底から共感したり、自分自身に備わっていないものであれば解ろうと近づいたり、音叉のように心を震わせたり、そうやって好奇心の赴くまま、ひとの心や、それらから生まれたものたちに触れたりしていたのに。 今はもうなにかを見たり聞いたりしてもへえーすごいねという感じだ。もしかして、ちょっとは五感が肥えたせいかもしれな
2021年5月1日 22:33
五月になった。あと二十日で誕生日だねと、祖父は嬉しそうに言うのに、なぜかわたしはひやっとした。永遠のティーンエイジャーが終わる。 何者かになる。ならなければいけない。ずっと急かされていたように感じる。だれに?だれでもいい。考える間もなく、ただ焦っていた。何者かになる。名前をもたず、替えが利くわたしであるならば、わざわざ生きなくていいと思った。何者かになる。それがなければ、わたしはわたしになれ