あずる

過去の恋愛の 一場面だけ切り取って 描いたり ちょっとふんわり 手を加えたり そんな…

あずる

過去の恋愛の 一場面だけ切り取って 描いたり ちょっとふんわり 手を加えたり そんなこんなの 恋愛のお話。

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darling

『Darling』 キミの事これから そう呼ぶよ 私の前髪をかけ上げおでこにキスをして そう言葉にする彼の 真っ直ぐに見つめる 目の色に引き込まれる キレイな緑と青 そし…

あずる
3年前
4

おかえり

『ねぇ 肌が合うって どういうことだと思う?』 「そうだな 皮膚と皮膚の境目が分からないほど 馴染んでるってことなんじゃないかな」 まつ毛が触れる距離で  隙間なく…

あずる
3年前
2

言葉

幸せと不安は なぜに こんなにも近くに在るのだろう ボクは彼女の震える肩を撫でながら そう感じていた 彼女はすぐ近くの未来を 見てた ボクは少し遠い未来を 描いて…

あずる
3年前
7

「なんだか ここ 繋がりにくいみたい  また 改めてかけるね」 そう言って もう三日が過ぎた 本当は あなたの声 聞こえていた 「話があるんだ」って 聞こえてた …

あずる
3年前
6

あずる*自己紹介

五十音の一つ一つを パズルのように組み合わせたり 音のように重ねてみたり そうやって 言葉を紡いでいきたいと思ってます リアルの生活の中では 人前でお話をする機会が…

あずる
3年前
6

雨音で目が覚めた まるで和太鼓の連打のように 心地よくも聴こえる 『髪 もうショートにはしないの?』 昨日そう言われたことをふと思い出す 社に戻るには少し早すぎる…

あずる
3年前
12

花海棠

交差点で 腕を掴まれた 私の名前を呼び私の目を見つめている …会いたかった人 自分の向かう方向を背にして 私のつま先の方に合わせて歩み出す 『ずっと 会いたかった…

あずる
3年前
3

緋の月

陽が落ち 山際も見えなくなる頃 赤い月が登る 冬の満月 月の出の時刻に合わせ 海に車を走らせる よせる波の音  砂を連れていく音 暗闇の中で鼓動のように繰り返す 波…

あずる
3年前
4

山の上ホテルにて

『年齢なんてただの記号なんだから』 当時30代半ばの私に一回り以上年上の女友達は そう笑った 常に今の自分を生きなさい という意味にも聞こえた 山の上ホテルはいつぶ…

あずる
3年前
2

stay gold

部下の運転する車から 『stay gold』 スティービーワンダーの曲が流れてきた 「キミこんなの聴くの?」 『はい なんかいいなと思って』 「そうなんだ 私ね 好きだった…

あずる
3年前
3

カプレーゼ

『なぁモッツァレラチーズってこんな味だったか?』 到着が遅れるアナウンスが流れる 緊張なのか少しだけ拍動を感じる 空港は行き交う人の 様々な靴の音が溢れている 旅…

あずる
3年前
1

−8時間のリアルタイム

『風の時代なんだってな、お前そんなの好きだろ』 明け方の4時にLINEが入った。 デュッセルドルフは今何時? 昨日の夜の8時か また自分都合の発信。 でも彼らしくて嫌…

あずる
3年前
2
darling

darling

『Darling』
キミの事これから そう呼ぶよ

私の前髪をかけ上げおでこにキスをして
そう言葉にする彼の
真っ直ぐに見つめる 目の色に引き込まれる

キレイな緑と青 そして淡い茶の目だ

彼の腕の中でくるりと体の向きを変えて
スマホで 調べてみた

最愛なる人 愛しい人
と、記してある

そうなんだ
私 彼の『darling』なんだ
体の向きを元に戻して
彼の髭の頬に キスをした

名前を呼ば

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おかえり

おかえり

『ねぇ 肌が合うって
どういうことだと思う?』

「そうだな
皮膚と皮膚の境目が分からないほど
馴染んでるってことなんじゃないかな」

まつ毛が触れる距離で 
隙間なく肌を合わせ

私たちは いま会話をしてる

肌の境目を感じないほど馴染む肌
そう感じていた人だ

そう感じていたはずなのに
二人の間には
三度ほどの四季が巡っていた

二人がいつの間に会わなくなったのかさえ
思い出せないほどの時間が

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言葉

言葉

幸せと不安は
なぜに こんなにも近くに在るのだろう

ボクは彼女の震える肩を撫でながら
そう感じていた

彼女はすぐ近くの未来を 見てた
ボクは少し遠い未来を 描いてた

沿うようで 添えていないことが
彼女の不安を募らせていた

彼女の落とす涙がボクの膝を 濡らす
吐く息ごとに 一粒落ちる

静かな部屋には
降り出した雨音と ボクの手の
さする音

言葉をどう紡ぐべきなのか
言葉をどう綴るべきな

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話

「なんだか ここ 繋がりにくいみたい 
また 改めてかけるね」

そう言って
もう三日が過ぎた

本当は あなたの声 聞こえていた
「話があるんだ」って 聞こえてた

その話を聞きたくなくて 

携帯がつながりにくいと
ウソをついた

気づいてた

少しずつ私が
あなたの日常から薄れていたこと
その代わりに
そこに『誰か』が入り込んできたことも

わかってても
確かめるって 
結構エネルギーが要る

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あずる*自己紹介

あずる*自己紹介

五十音の一つ一つを
パズルのように組み合わせたり
音のように重ねてみたり
そうやって
言葉を紡いでいきたいと思ってます

リアルの生活の中では
人前でお話をする機会が多いのですが
ここでは
言葉の織り人でありたいと思ってます

読んでくださってありがとうございます

髪

雨音で目が覚めた

まるで和太鼓の連打のように
心地よくも聴こえる

『髪 もうショートにはしないの?』
昨日そう言われたことをふと思い出す

社に戻るには少し早すぎると思い
一人近くのカフェに寄った
午後3時を過ぎていたので
コーヒーではなくソイラテを注文した

どんなコーヒーでも午後3時を過ぎて飲むと
寝付きが悪くなるのだ
そう思い込んでいるだけかもしれないけれど

それを手にし
オープンの席

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花海棠

花海棠

交差点で
腕を掴まれた
私の名前を呼び私の目を見つめている

…会いたかった人

自分の向かう方向を背にして
私のつま先の方に合わせて歩み出す

『ずっと 会いたかったんだ』

私も とは言えず聞こえないふりをした

背中に回された左手を解くように
彼の正面にまわる

『ねぇせっかく再会したのだから
今から時間ある?
 鎌倉に 海棠 見に行かない?
そろそろ咲いてるんじゃないかな』

花海棠は桜が

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緋の月

緋の月

陽が落ち
山際も見えなくなる頃
赤い月が登る

冬の満月

月の出の時刻に合わせ
海に車を走らせる

よせる波の音 
砂を連れていく音

暗闇の中で鼓動のように繰り返す
波音だけの世界

水平線に小さな赤の点が見え始める
その点が波音に導かれ線となり
私の足先までも月路が伸びる

緋毛氈の如く

私はどうしたいのか
どう有りたいのか

緋の月が
心の身包みを剥いでいく
そして

私の全てが緋色に戻

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山の上ホテルにて

山の上ホテルにて

『年齢なんてただの記号なんだから』

当時30代半ばの私に一回り以上年上の女友達は
そう笑った

常に今の自分を生きなさい
という意味にも聞こえた

山の上ホテルはいつぶりだろう
夜の雰囲気とはまた異なり
穏やかで和やかな風情の
エントランスに出迎えられた

中華のランチに来たことををポーター伝える
案内されメニューを手渡されると

『ねぇまずはビール飲みましょうよ』
彼女が言った

グラスを合わ

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stay gold

stay gold

部下の運転する車から
『stay gold』
スティービーワンダーの曲が流れてきた

「キミこんなの聴くの?」
『はい なんかいいなと思って』

「そうなんだ
私ね 好きだったんだ この曲」

ふと記憶が蘇る…

あの頃
別れが来るなんて
思ってもいなかった

それでもすれ違いは起き
別れはやってくる

彼は二人の想いが一番だといい
私は二人の環境が一番だと言った

互いが大切なのは同じだったはず

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カプレーゼ

カプレーゼ

『なぁモッツァレラチーズってこんな味だったか?』

到着が遅れるアナウンスが流れる
緊張なのか少しだけ拍動を感じる

空港は行き交う人の
様々な靴の音が溢れている
旅立つ時も戻ってきた時も
ときめく

私は壁にもたれ
ガラス張りの到着出口を見てる

見慣れた傷だらけのリモアのキャリーが
向かってくる
ここにいるねとも伝えてなかったのに
迷わず見つけることに
余裕を感じて
少し悔しくて
その事が嬉し

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−8時間のリアルタイム

−8時間のリアルタイム

『風の時代なんだってな、お前そんなの好きだろ』

明け方の4時にLINEが入った。

デュッセルドルフは今何時?

昨日の夜の8時か

また自分都合の発信。

でも彼らしくて嫌じゃない。

『あのさ、こっち4時なんだけど、まだ真っ暗夜中なんだけど』

ちゃんと相手するよ

風の時代とか本当は全くどうでもいいくせに

私ならこんな時間にLINEしてもきっと『会話』になると確信して送ってきたはず

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