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緋の月

陽が落ち
山際も見えなくなる頃
赤い月が登る

冬の満月

月の出の時刻に合わせ
海に車を走らせる

よせる波の音 
砂を連れていく音

暗闇の中で鼓動のように繰り返す
波音だけの世界


水平線に小さな赤の点が見え始める
その点が波音に導かれ線となり
私の足先までも月路が伸びる

緋毛氈の如く


私はどうしたいのか
どう有りたいのか

緋の月が
心の身包みを剥いでいく
そして

私の全てが緋色に戻る

委ねてみよう
私の中の

衷情に

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