学校の「道徳」も評価されてるんだぜ。
この記事は3分で読めます★
学校の「道徳」の授業って、
何をもとに、どんな風にされているの?
それを書いた前回記事がこちら。
今回は、
道徳の「評価」について
書きたいと思います。
「道徳の評価」といっても、「心」をどう評価するの?
って思いませんか?
では、ここでいきなり!!!
実際の評価の一例を書いてみます!
たとえば、道徳の内容項目に「家族愛」というものがあるのですが、
ある子がそれを取り上げた授業で特に良い発言をしてくれたとします。
使用した物語名は「家族っていいな」だとしましょう。もちろん仮名です。笑
以下、評価の一例です。
えっ長!これが評価?!
って思いました?
何かコレ、通知表の初見や通信欄みたい…
って思いませんか?
でもね、例とはいえ、テキトーに書いたわけじゃないんですよ。
ちゃんと「いくつかのポイント」を意識して書きました。
その「評価のポイント」を、見ていきましょう。
文部科学省からの
「特別の教科 道徳」の指導方法・評価等について(報告)
によると、
…と大きく5つに分けて書かれてあります。
ひとつひとつ見ていきましょう。
まずは、
①数値による評価ではなく、記述式とすること、
というところ。
道徳の評価は、A/B/Cや5段階評価、点数のような、数値による評価は行わないとされています。
その代わり、道徳の授業の様子と学びの記録(プリントやノートなど)を教師がしっかりとチェックし、その変容や成長を見取ってあげること。
そして、それを文章で伝えてあげること。
その文章そのものが評価になるよ、ということです。
だから冒頭のあの長い文は、すべてが評価なんですね。
次に、
②個々の内容項目ごとではなく、大くくりなまとまりを踏まえた評価とすること、
というところ。
これとほぼ重なるのが、最後の
⑤道徳科の学習活動における児童生徒の具体的な取組状況を一定のまとまりの中で見取ること
というところ。まとめて説明しちゃいますね。
前回の記事でも書いた通り、道徳には、授業で取り上げるべき「内容項目」があります。
…の4分野があり、それぞれいくつか内容項目があるんでしたね。
評価では、
ひとつひとつの内容項目ごとに評価していると、
授業のたびに評価することになってしまって大変なので、
基本的に、年間を通してなど長期的な見方をして評価します。
そうすると、
「あの子…
最初は自分の意見を発言してばかりで、
他の子の意見は聞き入れない感じだったけど、
学期の後半には人の話をよく聞くようになったな」など、
子供の変容や成長を見取りやすくなります。
つまり、内容項目は年間を通してすべて取り扱うべきという大原則はあれど、
評価の際はどれかひとつにこだわりすぎることのないよう、長期的な見方で評価する、ということです。
次に、
③他の児童生徒との比較による評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として行うこと、
とあります。
これはもう、文面の通りですね。
②で、子供の変容や成長を見取るために、長期的な見方で評価をすることを書きましたが、
「他の児童生徒との比較して」ではなく、
「その子供個人がどう変容、成長」するかをひとりひとり文章で評価してね、ということです。
次の項目はとても大切なのですが、
④学習活動において児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか、
道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかといった点を重視すること、
とありました。
この項目だけで2つに分かれていることが分かります。
(1)「児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか」
(2)「道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか」
の2つを重視して評価してね、ということです。
それぞれ見ていきましょう。
(1) 「児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか」
とは、
たとえば、その授業で取り上げた内容項目について、友達の異なる意見を聞いて理解しようとしているか。
また、
多面的・多角的に物事を考えたり捉えたりできているか。
ということです。
後者について補足すると、
日常生活には、複数の立場の主張が対立しあう場面がたくさんありますよね。
例を挙げると、震災後、人々を勇気づけるために地域の伝統行事を復活させようとする人もいれば、
震災で大きな打撃を受けてそれどころではないという人もいる。
どちらが正しいかなんて一概には言えないことはたくさんあります。
道徳の教科書で取り上げるお話にも、そういったお話はたくさんあります。
そんな状況でも、双方に理解を示したり、双方の視点から物事を考えたりできるか。
それが、「多面的・多角的」という意味合いなのだと思われます。
つまり、
自分の意見を一方的に押し付けたり、
決してゆずらない頑なな姿勢を貫いたりするのではなく、
1つの内容項目であっても、
それを多くの意見、多くの立場から考えることができるようになったか、ということです。
重要視するポイントの2つ目は、
(2)「道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか」
でしたが、
これはよりイメージしやすいのではないでしょうか。
「道徳の教科書のお話だから、
実際のお話じゃないでしょ。
読んでもイメージわかないなぁ」
…と他人事に思うのではなく、
自分の過去の体験や近い経験を思い出して、
自分ごととして捉えることができるようになったか、ということです。
(1)も(2)も、教師の発問次第で子供はいくらでも伸びると思います。
また、②で長期的に子供の変容・成長を見取る、とありましたから、
この(1)も(2)も最初からできてなくて良いんです。
道徳の授業を重ねるごとに、少しずつその感覚が身に付いていけばそれで良い。
それこそが成長なのですから。
そういうわけで、道徳の評価は、
①文章で、
②⑤まとまりの意識で長期的に、
③他の誰とも比べることなく、
④多面的・多角的な見方ができるようになったか、
自分ごととして考えることができるようになったかを、
書き表したもの。
それがすべて、道徳の評価だということです。
なんとなーーーく、
分かっていただけたら幸いです!
より分かっていただくために、
この記事の冒頭で試しに書いてみた評価の文章を再度見てみましょう!
内容項目は「家族愛」、物語名は「家族っていいな」でした。
ハイ、もちろん仮名です。笑
①文章で、
②⑤まとまりの意識で長期的に、
③他の誰とも比べることなく、
④多面的・多角的な見方ができるようになったか、
自分ごととして考えることができるようになったかを、
一応書き表すことができていると思いませんか?
(自画自賛みたいになってすみません…;;)
特に道徳の評価は、
生徒の成長を積極的に受け止めて「励ます」あり方が理想とされているので、
良いところを見つけて言葉で伝えてあげるイメージです。
中でも特に良く考えていた授業を思い返して、特筆するのもOK。
だからこそ、
子供の道徳ノートやプリントは残しておかないと、評価する際に困ることになっちゃうんですよね。
そういう観点からも、
今はどこの学校でも道徳のノート・ファイル・プリントは導入していると思いますが、
提出物をなかなか出さない子や、
逆にあまり記録を残さない子は、
教師側からすると評価の際に困ってしまいます。
ですから、
授業開き(年度はじめの一番最初の授業のこと)の際、
教師は子供に、
どのように評価をしていくのか、
だからこそノート・プリント・ファイルには何を書いてほしいかを、
しっかり説明しておく必要がありますね。
さて。
2日間に渡って「道徳」の授業と評価について書かせていただきましたが、
「思ったよりちゃんとした授業だったんだ…」
と思ってくだされば幸いです。笑
元々道徳に造詣の深かった方は、逆にここまで読んでくださりありがとうございます!;
★☆★本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
道徳以外の教科の「評価」と新学習指導要領について詳しく書いた記事は、こちら↓
その「評価」の中でも、「主体的に学習に取り組む態度」について書いた記事は、こちら↓
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★☆★私は、中学・高校での教師経験を生かし、
ココナラでカウンセラー&占い師として、
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カウンセラー兼占い師 アイサ