精神科のくすりが怖い、わたしのチャレンジ体験記
みなさん、精神科の薬って、どんなイメージがあるでしょうか?
わたしは、抗うつ剤のような「根本治療の薬」には抵抗がありませんでした。でも、「依存性がある薬」と聞くと、どうしても怖くて……。受けいれがたかったんです。
ということで、今日は
薬への抵抗感をすこし乗り越えられたよ
しんどい時期をなんとかやり過ごせたよ
そんなお話を分かち合えたらと思います。
きっかけは「退職の連絡前夜」
退職の連絡をする前夜、「これ、絶対眠れなくなるやつだ」と思い、Drに相談しました。
すると、「頓服を追加しましょう。リーゼという薬です」と。
リーゼ。
聞きなれない名前ですが、依存性があるベンゾジアゼピン系抗不安薬。
その薬名を聞いた瞬間、わたしの中の「警戒モード」が発動。「いや、それはちょっと……」。
でも、Drの一言が衝撃でした。
「これは医者ではなく個人としてお話するのですが……私もたまに飲みますよ。状況によってほんとうに助かることもありますよね」と。
えっ!?先生も飲むの!?
精神科医が??
もう目がテン(・・)状態
人間、驚きすぎると固まるんだな、ということを体感しました。
大学院の先生も「飴ちゃんみたいなもの」
翌日、びっくらぽんの状態で大学院の先生に相談に行きました。
「先生、薬を飲むべきか迷っている」と話すと、先生もさらっと言うんです。
「リーゼ?あれ、飴ちゃんみたいなもんだよ。効かないかもしれないけど、日常生活を楽にするなら飲めばいいじゃん。私もたまに飲むし。」
えっ!?先生も!?
なんかのドッキリ?と思ってしまいました。
しかも「飴ちゃんって……」と
受け入れキャパオーバー。
「先生、それは無理。もっと受け入れやすい例えをください」とお願いすると、
「じゃあ、頭痛薬かな。ロキソニンみたいな感じ。ちなみに私、いろんな薬持ってるよー」と軽やかに笑う。
軽い…軽すぎる……!なにかがおかしい。
でも、この軽さが不思議とじわじわ効いてきて、長年抱えてきた薬への抵抗感を、ようやく疑う気持ちが芽生えました。
薬が怖かった理由
帰り道、大学の食堂でノートを広げて考えました。
「なぜこんなに薬が怖いのか?」
思い出されたのは、こたつで精神の薬を飲む母の姿。それは幼い私にとって、薬が『怖いもの』と映るきっかけでした。
でも、気づいたんです。
「恐怖感そのものは悪いものではないよなぁ」と。むしろ、当時のわたしを守るために必要な感情だったのかもしれません。
そう思えたとき、ふっと
薬に向き合う準備が整いました。
「試してみてもいいかも」と思えるようになったのです。
リーゼ君、よろしくお願いします
とはいえ、恐怖感が完全になくなったわけではありません。
「怖い」が4割、「飲んでみてもいいかも」が6割。その6割を、もう少し広げたいと思いました。
恐怖感をどう和らげるか?
ぱっと浮かんだのは、「まずお近づきのしるしに挨拶をすること」。
そして、薬に親しみを持てるよう名前をつけようと思いました。
その名も「リーゼ君」。
ちょっと笑える名前ですが、
不思議と心がゆるみました。
その晩、キッチンで薬に向かい、こうお願いしました。
「リーゼ君、私の睡眠を助けてください。よろしくお願いします。(ぺこり)」
恐怖の対象にあいさつをする。その行動が、わたしの気持ちをすこし軽くしてくれた気がします。
正直、「これ、大の大人がやることか…」と書きながら恥ずーっ、となってますが。。
これもリアルなわたしの姿なので、書いてみました。
このプチ儀式のおかげか?「あ、飲めそう」と思えたんです。
薬を飲んでみた結果
その晩、わたしは驚くほど熟睡できました。
「脳がスカッとしている……!」
「体がかるい!」
寝起きにこんな感覚を味わったのは、いつぶりでしょう。「これが普通の睡眠なんだ!」とすごく感動しました。
そして、調子のいいわたしは「これ、毎日飲みたいくらいだなぁ」と思い、「自分、ちょろ……」となりました(笑)
薬を飲むことは助けを受け入れること
この体験を通して、わたしは薬への捉え方が変わりました。
すごいなぁ……自分で書いてて、これってかなり革命的な変化だなぁ、としみじみ。ありがたいな。
この記事が、同じように薬への抵抗感を持つ方の参考になればうれしいです。
次回は、
「この恐怖感をどのように見つめ、和らげる方法を見つけたのか」ーー
そんなプロセスをすこし書けたらなと思います。
それでは、きょうも焦らず。
ゆっくりいきましょうね(^^)