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知恵

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この知恵はゲットしておきたい。もう一度見返したい。そんな記事を集めました。
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#エッセイ部門

「わたし」は細胞膜に「受信」されている。

自分の投稿で、わたしはよく「内側」という言葉を使います。 noteでのみなさんとのつながりは、「内側」からのつながりだなあ、と。 外見とか立場とか、そういうものが最初のアプローチとなる「外側」からのおつきあいとは少し違って……わたしはそれが好きだなあ、と。 その「内側」って、実際はどこにあるのでしょうね。 自分の心、価値観、思考、記憶……そういう、「わたしの中身を成すもの」すべてをひっくるめて、わたし自身は「内側」という言葉を使います。 でも実は、「内側」は、わたしの内側

花。貴石。そして笑顔。

わたしは花が大好きです。 花が嫌い……という方には、あまりお目にかかったことがありません。 興味がない、という方はいらしても、嫌い、とまでおっしゃる方は、記憶にある限り、お会いしたことがありません。 役に立つ、といえるものではないのに、なぜか花は人の心を魅了してやみません。 作家・カウンセラーであり、同時に現代精神世界の指導者ともいわれるエックハルト・トール氏は、著書『ニュー・アース』(吉田利子訳/サンマーク出版)のなかで、花に、植物の「悟り」をみることができる……と語っ

わたしのインナーチャイルド。そして野原の話。

トップの画像は河津桜。 静岡にお住いのクリエイターakihiroさんのお写真なのですが、なんだかすこーし不思議な感じがしませんか? これ、水たまりを撮影したものなのですって! 水たまりに映った河津桜、そして空。 上のほうにぼやっとピンクにみえるのは、水たまりに浮かんだ桜の花びらなのだそう。 ふと水たまりをのぞきこんだときにこんな世界がみえたら……それだけで、心はどこかに飛んでいきそうです。こんな世界をみせてくださるakihiroさんに、心から感謝です。 ところで最近、親し

友よ。母よ。どうかあなたを飯炊き女にしないで。

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アナログ派の楽しみ/スペシャル◎へそまがり世界史(創作大賞2024応募作)

へそまがり世界史   きれいはきたない、 きたないはきれい。  ――魔女の叫び(シェイクスピア著『マクベス』より) ジュリアン・ジェインズ著『神々の沈黙』われわれはふたたび 神々の声と出会ったのか 自分は一体、何者なのか? その答えに少しでも近づくためにわれわれは本を読むのだろうが、米国プリンストン大学の心理学教授、ジュリアン・ジェインズが著した『神々の沈黙』(1976~90年)もまた、目からウロコの落ちる示唆に富んだ一書であることは間違いない。  骨子は、はなはだシ

アナログ派の楽しみ/スペシャル◎へそまがり性愛学(創作大賞2024応募作)

へそまがり性愛学   あが身は、成り成りて成り合はざる処一処あり。  あが身は、成り成りて成り余れる処一処あり。   ――伊耶那美命と伊耶那岐命の対話(『古事記』より)   O・ヘンリー著『最後の一葉』そこには意外につぐ 意外の事態が   かつて国語の教科書で『最後の一葉』(1905年)に出会って、当たり前のように感動した覚えのある者にとって、作者のO・ヘンリー、本名ウィリアム・シドニー・ポーターが犯罪者として刑務所に服役した経歴の持ち主だとは、少なからず意外の念を催

和(あ)いの言霊 ~これから山ちゃんが、いい話をします~

奈良県の御所市という街に 葛城一言主神社、通称『一言(いちごん)さん』という 人気の神社がございます 主祭神は、葛城之一言主大神で その名の通り、たった一言で 願いを叶えてくれる神さまだと言われています 山ちゃん、そんなこともつゆ知らず 春間近の昼下がり、のらりくらりと この一言(いちごん)さんへ 境内に、参拝客は3人くらい 本殿は独占状態だったので よっしゃ オリジナル参拝(やっちゃダメ) パンぱ、パンぱんぱんと手を叩き 大声で、こんにちはー! と、一言(いちご

note、人の「内側」世界をつなぐ。

子どもの本を書く仕事をしていることを、自己紹介に少し記しましたが、ずいぶん前に書きかけたお話のひとつを、最近、よく思いだすようになりました。 書きかけた、と申し上げた通り、結局完結させられなかったお話です。ただイメージだけは今も強く残っていて、執筆中の感覚はよく思いだすことができます。そのイメージが最近になって、 (ああ、こういうことだったのか……) すとんと腑に落ちるような氣がするのです。 お話の核になっていたのが、「わたしの外側の世界は周りの人たちとつながっている。そ

地球で見つけた好きな物の話ーぺんてるちゃんの章1頁ー

 地球を旅する冒険者の皆様、冒険譚の執筆は、着々と進んでおりますでしょうか?元本読師の文者 部屋美です。  ようやく、この新たな章の執筆に取り掛かれます事を、大変嬉しく思っております!  本来であれば、「文房具の章」として始まるべき物語で御座いましたが、此処はあえて「ぺんてる」様1本で1つの物語を綴らせて頂こう!と、相成りました。  「ぺんてる」様以外の文房具につきましては、改めて「文房具の章」を綴らせて頂く予定で御座います。  今の文者の冒険譚を綴る上でなくてはなら

「書く」。「書かない」。

「てがみさま」というお話を書いたことがあります。 手紙の神様。てがみさま。 大切に書いた手紙には神様が宿ることを──短いお話にしました。 封筒を開け、折りたたまれた便箋をひらくと、おかっぱ髪の女の子の神様が、ちょこんとそこに現れる。それが、てがみさま。 そのお話を書いたのは、もうずいぶん前のことです。 誰かに手紙を届けるのが、いまよりずっと身近な時代でしたから、ちょこちょこと、お礼状など書く習慣がありました。 手紙を書くときには、必ず心を込めて。 封書のときには、てがみさま

人も光合成をしているよ。

一日一食で過ごすようになって、2年程になります。 それまでは、分子栄養学を、独学ですが熱心に学んでいて、タンパク質やビタミンを丁寧に摂取することを心がける生活でした。 体調を崩していた時期もありましたので、そうした栄養素が確かに体を助けてくれた実感を、今でも感謝をもって記憶しています。 それが、あるときふと、(栄養って、食べ物以外からも摂ることができるんだ!)と……発見のような、確信のようなものが、すとんと空から降りてきたのです。 それは、栄養素のお蔭で体調が回復し、趣味の

性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

この歳になって、ようやく自分の性的指向をはっきり自覚することができた。 私とつきあいがあるほとんどの人は、私のことを異性愛者として認識していたと思う。 何より私自身がそう思い、そう振る舞い、自分の存在をクローゼットに押し込んでいた。 自分のことを男好きな人間だと思っていたし、それはべつにヘテロノーマティヴィティに強制されたものではない、内的感覚によるものだと思っていた。 ただ、その自認に対して苦しまなかった、というのは嘘になる。 「恋愛」というものを知ってから、だれと付き

【2022年振り返り】最高の温泉宿・湯治宿10選

館主 「ヨシタカさん、本当に申し訳ございません。4月から200円値上げになってしまうんです。ギリギリのところでやっていて・・・」 私  「そんな、謝らないでくださいよ。物価がこれだけ上昇しているのに、旅館だけ値上げしないなんておかしい。浮気はしません、また必ず来ますから」  今年の世情を象徴するような一コマでした。大好きな温湯の宿での出来事です。御主人の申し訳なさそうな顔が忘れられません。 はじめに 持病の快癒、そして世の泰平を願い過ごしました2022年。 残念ながらその