今宵

ライター。美術と読書と生について執筆しています。 専門は日本の仏教美術。趣味はペンギン…

今宵

ライター。美術と読書と生について執筆しています。 専門は日本の仏教美術。趣味はペンギン活動。 Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。 https://koyoinomori.carrd.co/

マガジン

  • AI日記「GPT-koyoi」

    画像生成AIやLLMで遊んでいます

  • エッセイ「Moonstruck Garden」

    夢の端で生きる今宵のエッセイです。

  • 今宵のひとくち日記

    1000文字未満の軽く読める記事です

  • 書評集「Read, watch n sleep well.」

    本・映画・ドラマ・アニメのレビュー。書評中心に週2~3ペースで更新中

  • ペンギン活動日誌「Pen Diary」

    If you can dream it, you can be a penguin.

最近の記事

  • 固定された記事

性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

この歳になって、ようやく自分の性的指向をはっきり自覚することができた。 私とつきあいがあるほとんどの人は、私のことを異性愛者として認識していたと思う。 何より私自身がそう思い、そう振る舞い、自分の存在をクローゼットに押し込んでいた。 自分のことを男好きな人間だと思っていたし、それはべつにヘテロノーマティヴィティに強制されたものではない、内的感覚によるものだと思っていた。 ただ、その自認に対して苦しまなかった、というのは嘘になる。 「恋愛」というものを知ってから、だれと付き

    • ハン・ガンがノーベル文学賞受賞…!以前書いた書評ですhttps://note.com/lastclassroom/n/nfa274a3ca4a9?from=notice

      • 残暑こそ本を読みたい。夏の終わりのサマーリーディングリスト

        日本にも「読書の夏」を 台風が過ぎ、ようやく「残暑」と呼べるような日々がやってきた。 欧米には夏季休暇にビーチなどで本を読んだりする「サマーリーディング」の習慣があり、著名人が「夏に読む本リスト」を公開している(有名なのはオバマ元大統領)。 日本では秋に「読書週間」が存在するが、そろそろ「夏も本を読む」キャンペーンを大々的に打った方がいいように思う。「読書感想文のために読む」子どもたちだけではなく、大人にも。 理由として、日本の夏は暑すぎる。 2024年はそもそも外出す

        • 【書評】辻村深月『傲慢と善良』―この本の読み方を教えてほしい

          ハードルを上げすぎてしまったのかもしれない。 このnoteでは基本作品に対するポジティブな感想を書いているのだが、お盆休みに一気読みしたこの本に限っては、どうしても「良い感想」を持てずにいる。 「婚活」「アプリ恋愛」をテーマにした小説・漫画などはかなりたくさん出てきていて、今となってはメジャーな題材だ。 私自身、心の底から面白いと感じた恋愛漫画はいくつもある。マッチングアプリを使っていた頃は特に好んでそういった作品を読んでいた。 作者によるほぼ実録エッセイマンガ。Tind

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        性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

        • ハン・ガンがノーベル文学賞受賞…!以前書いた書評ですhttps://note.com/lastclassroom/n/nfa274a3ca4a9?from=notice

        • 残暑こそ本を読みたい。夏の終わりのサマーリーディングリスト

        • 【書評】辻村深月『傲慢と善良』―この本の読み方を教えてほしい

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          7本
        • 「hashicco.」 美術展レビューマガジン
          12本

        記事

          【書評】松永K三蔵『バリ山行』―山がある、故に高みへ

          なんの前情報も入れずに読もう、と思った作品だった。 「バリ山行」という、初めて見る日本語。作品の中でその謎が解けるのが楽しみだったからだ。 登山用語なのか、作者の造語なのか。それすら曖昧だった。 問いはひとまず脇に置いて、物語に沈み込む。 するとあっという間に読み切ってしまった。 『バリ山行』はスリリングかつ格調高い純文学小説である。 ずっと関東に住んでいる自分にとって「六甲山地」というものが兵庫県民にとってどういう意味を持つのか、正直なところずっとわかっていなかった。し

          【書評】松永K三蔵『バリ山行』―山がある、故に高みへ

          今日の記事はおやすみです。ペンギン・アンド・和カフェ。

          今日の記事はおやすみです。ペンギン・アンド・和カフェ。

          たらい舟のロマン~夢の中の佐渡島

          前回の記事で柏崎について書いて、或いは佐渡金山世界文化遺産登録のニュースに触れるうちに、子供時代をいろいろと思い出した。 柏崎の小学生の修学旅行といえば佐渡島だ。柏崎の子供はなぜかここで必ずたらい舟に乗せられる。 そして柏崎と佐渡の繋がりで全国的に有名なのは「佐渡情話」で知られる「藤吉とお弁」の民話だろう。 これがよく知られているあらすじなのだが、別バージョンでは番神堂の僧侶に拾われた後その僧侶に惚れ込んでしまい、今度は板切れに乗って泳いで柏崎へ通い詰めるエピソードも追

          たらい舟のロマン~夢の中の佐渡島

          新潟産大付甲子園出場おめでとう! ~柏崎に残る「宮島さん」、そして『ラストイニング』にみる甲子園の意義

          柏崎初の快挙!夏の甲子園出場! 8/7(水)から第106回全国高等学校野球選手権大会が開催される。 今回は甲子園球場100周年という節目で、高校野球に先立ちNPBでは8/1(木)の阪神-巨人戦で盛大な記念イベントが開催された。 他にも甲子園を舞台としたさまざまな野球漫画とのコラボや企画展など、現地では様々な催し物が見られる。 今回の夏の甲子園で最も楽しみなのは、なんといっても新潟産業大学付属高校が柏崎市初の夏の甲子園出場を果たしたことだ。 甲子園100年という歴史的大舞台

          新潟産大付甲子園出場おめでとう! ~柏崎に残る「宮島さん」、そして『ラストイニング』にみる甲子園の意義

          【夏休み】Suicaのペンギンと真鶴へゆく

          半月ほど前、Suicaのペンギングッズの新たな展開が告知された。 スイペングッズは駅の売店(専門ショップペンスタ、鉄道グッズストア、NewDaysなど)・書店で展開中のペンコレ!・オンラインなどで購入できるケースが大半なのだが、初の試みとして車内販売限定グッズが発表された。 今回はJR東のアテンダントと同じスカーフと名札をつけた姿や、グランクラスでくつろぐ姿が新たに書き下ろされている。どのグッズもかわいい。 販売場所は東北・秋田・山形・上越・北陸新幹線、中央線特急、常磐線特

          【夏休み】Suicaのペンギンと真鶴へゆく

          病んでから、何年もずっと小説が読めなかった―ハン・ガン『菜食主義者』

          ハン・ガンと私の病と ハン・ガンの作品の最高傑作、いや韓国の現代文学すべてにおける金字塔と名高い『菜食主義者』を読んだ。 しかし、私にとってこの作品は最高傑作以上の意味を持っていた。 というのも以前『ギリシャ語の時間』を読んだとき私は閉鎖病棟にいて、しかも措置入院中だった。拘束され一切身動きが取れない中数日を過ごした後、処置室から閉鎖病棟に移った私は、論文や『十二国記』全巻とともに『ギリシャ語の時間』を読んで、三か月にわたる入院期間を過ごした。 『菜食主義者』は、突如

          病んでから、何年もずっと小説が読めなかった―ハン・ガン『菜食主義者』

          カラストラガラさんの記事で私が以前書いた記事をご紹介いただきました。本当にありがとうございます……! https://note.com/karasu_toragara/n/nc62098ec4f0e

          カラストラガラさんの記事で私が以前書いた記事をご紹介いただきました。本当にありがとうございます……! https://note.com/karasu_toragara/n/nc62098ec4f0e

          美術を学ぶことは、伊能忠敬界隈に入門すること

          常人離れした距離を歩き続ける「伊能忠敬界隈」なる概念がSNSでバズっている。 私もバカバカしいくらい健脚であることを友人にたびたび突っ込まれるので、備忘として「歩くこと」について書いておく。 ちなみに、一日40km近く歩き続けるというのは本人が心身ともに健康なら(恐らく)問題ないのだが、摂食障害などの症状のあらわれの可能性は否めない。 また「健康を維持するための適切な歩行量」として長い間定義されてきた「1日1万歩」も、膝などへの負担を考えると実は歩きすぎだ。 普段の栄養

          美術を学ぶことは、伊能忠敬界隈に入門すること

          Suicaのペンギンとスイスイ都市対抗~この夏は都市対抗野球を観よう!

          この夏は涼しいところで野球観戦しよう 今日はエスコンフィールドで開催されるオールスターゲームを観ながら記事を執筆している。 さて、待ちに待った夏休みがやってきた。 学生や保護者の方々は予定を立てるのに忙しい時期だろうが、この酷暑では外での活動に命の危険が伴う。一昔前とは違ってなんとも世知辛い気候である。 しかし、ちょうど今の時期は涼しく・お得に・子供も大人も大興奮・さらに家でも楽しめる! といいことずくめのイベントが開催中だ。 ――そう、都市対抗野球である。 都市対抗

          Suicaのペンギンとスイスイ都市対抗~この夏は都市対抗野球を観よう!

          今日の読書『にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』

          私の実家は(私を除いて)とにもかくにもガチガチの音楽一家、というのは何度かnoteに書いたとおりです。 とくに母はたいへんなビートルズのファンで、今もポール・マッカートニーが来日するとなれば空港で出待ちするという(ガチ恋…)オタク精神を発揮しているのですが、そんな母が「若手の音楽批評で唯一信頼できる」と数年前から太鼓判を押していたのが「みのミュージック」でした。 そんなみのさんが出した「通史」がこの本です。 私は音楽専門ではないにせよ史学科の人間でしたので、「通史」にカテ

          今日の読書『にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』

          日帰り弾丸高野山詣―1250年の祈りの都をたずねて

          6/16早朝、前日交流戦オリックス-ヤクルトの4時間を越えるヤクルトとしては本当にひどい試合に参戦して、本当にへとへとに疲れ果てていた私は、朝7時から特急こうやに乗り込んで、一路高野山へ出かけた。 性分として、疲れた翌日ほどリフレッシュのために寺に行きたくなるのかもしれない。 しかし、re-freshとは高野山を表すのにとても相応しい英語だ。語源である「refreschier」は「ふたたび新鮮な状態にする」といった意味だが、朝の高野山の静謐な空気は人や動物、植物までをあま

          日帰り弾丸高野山詣―1250年の祈りの都をたずねて

          内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙 開幕!いろどりの中世宗教世界へ

          国立西洋美術館に2015年~2020年にかけて寄贈された、中世ヨーロッパの装飾写本リーフを中心とする内藤コレクション。 今まで常設展のなかで少しずつ展示されてきたが、コレクションの全容を辿ることのできる企画展が2024年6月11日(火)より国立西洋美術館で開催されている。期間は8月25日(日)まで。 中世の修道院で作り続けられた彩飾写本。獣皮紙・インク・絵具など高価な材料を惜しみなく使って編まれた書物の世界のなかでは、現代ではその多くが失われてしまったゴシック~初期ルネサン

          内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙 開幕!いろどりの中世宗教世界へ