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日々是好日・心理学ノート

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記事一覧

仕事で義務を果たしていないのではないかと疑念を持つこと

心理的契約(psychological contract)というのは,経営学や組織心理学でよく用いられる用語のようで,「ある個人とその個人と別の当事者との間の相互交換契約の条件に関する個人の信念」と定義されるそうです。組織や雇用主と個人(従業員)の間で暗黙的に交わされる期待や信念のことを指します。 従業員が心理的契約が破られたと認識すると,仕事の中で違反をしたり不信感が生じたり,仕事の満足度が低下したりするそうです。 性格心理的契約が破られたと認識する可能性を高めたり低め

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中年期以降に似ていく夫婦の性格は一部だけ

カップルは互いに惹かれ合う,とはいうものの,カップルが互いに類似しているのかどうかは,これまでの研究の中でも大きなテーマになっています。 類似性これまでの研究では,パートナーと関係を形成する段階で,次の点で類似性が見られることが明らかにされています。 ◎心身の健康状態 ◎疾患 ◎態度 ◎健康行動 また,関係が継続して行くにつれて,カップルは互いに類似してくる可能性があります。カップル間の幸福感や心身の健康は,高齢期において密接に関連することも報告されています。カップルは

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プラセボの薬で体重は減るのか

肥満は,世界中で公衆衛生上の問題となっています。その割合はどこの国でも増加傾向にあり,肥満の人は標準体重の人に比べて医療費が約30%高くなるという推計があるようで,経済的な負担の増加にもつながっているそうです。 BBCのニュースによると,世界の肥満人口が10億人を超えていて,子どもでも肥満状態にある人々は1億5900万人もいると推計した研究があるそうです。 偽薬体重が増えてしまった人々に対して,どのような介入方法があるのでしょうか。食事療法,薬物による介入,心理学的アプロ

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プレスリリースは誇大広告か

研究結果を広く人々に知らせる「プレスリリース」は,頻繁におこなわれています。多くのニュース記事が,研究に基づいて書かれてSNSなどで広められていきます。企業も大学も,自らが関係する研究が広められることには肯定的です。 誇大広告しかし,プレスリリースにはつきものの誇大広告的な側面というものがあるようです。今回は,書籍『Science Fictions』から,3つのポイントを見ていきたいと思います。 正当な根拠のないアドバイスひとつ目は「正当な根拠のないアドバイス」です。

浮気しやすい愛着スタイルはあるのか

不倫に関する統計的な情報というのは,あるのでしょうか。 2016年のアメリカ合衆国の統計によると,55歳未満の約14%の人々が不倫関係を認めており,さらに高齢の人々では約20%が不倫の経験を報告しているそうです。男性の場合には,40代から60代の不倫確率が高まるという統計もあるようです。 日本の場合はどのくらいなのでしょうか。ネットを検索すると,いくつか調査結果がアップされています。調査によって数字はずいぶん違うのですが,10%から30%くらいでしょうか。 不倫の影響不

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億万長者の顔をした怪物

今回は,『ジェフリー・エプスタイン:億万長者の顔をした怪物』(ジュリー・K ブラウン著,2022年)を紹介したいと思います。 何があったのかジェフリー・エプスタインはアメリカの金融業界で成功を収めた大富豪で,多くのセレブや起業家,政治家,科学者,王族とも広く交友関係を広げていた人物です。英王室のアンドリュー王子も,クリントン元大統領も,トランプ大統領も,エプスタインとの交流があったことが明らかになっています。 本の中にも描かれていますが,ジェフリー・エプスタインの交友関係

男性と女性どちらが仕事で燃え尽きやすいのか

仕事による燃え尽き症候群は,慢性的な仕事に関連するストレス要因に長期間さらされることによって生じる,一種のストレスです。仕事に関連するバーンアウトは,「感情的消耗」「脱人格化」「個人的達成感の低下」といった側面で把握されることが多く行われてきたそうです。 側面バーンアウトの側面である感情的消耗は,仕事の中で感情的また肉体的に疲れ果てていると感じることを指します。これはまさに,ストレスから生じる症状だと言えます。また脱人格化は,顧客や同僚から心理的に距離を置くことを指します。

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離婚は死亡リスクを高めてしまう

結婚していた人々が離婚や別居をすると,さまざまなリスクが高まるという指摘は,古くから行われています。長年にわたって多くの研究が行われてきているのですが,多くの研究の中で,離婚者や別居者では死亡のリスクが高まるという結果が報告されています。 関連の探究とはいえ,本当に関連があるのか,どのようなプロセスで関連が生じるのか,関連を抑制したり調整したりする要因が存在するのかといった検討を行うことが重要です。 一部の研究者は,婚姻を観賞して離婚をしたり別居をすることで死亡率が上昇す

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職場いじめの3つのパターン

職場でのいじめは,昔も今も変わらずよく見られるものです。意外と,医療系の職場や介護系の職場でも,ひどいいじめが報告されるケースがあります。 大人のいじめ今回の記事は,『大人のいじめ』(講談社,坂倉昇平著)の内容から,一節を紹介したいと思います。この本では職場のいじめについて,いくつかの詳細な事例から考察しています。 パターン職場のいじめは,おおきく3つのパターンに分けることができるそうです。これらは「どれかのパターン」をとるようなものではなく,重複して生じることもあるそう

妊娠中の運動が抑うつを抑制する

世界中の精神疾患の中で,うつ病は非常に重要なものだと捉えられています。WHOによると,2019年には全成人の5%を含む推定2億8,000万人がうつ病を経験したそうです。うつ病は男性よりも女性に多く見られ,世界的な調査でも,妊娠中の女性および出産直後の女性の10%以上がうつ病を経験しているという報告も行われています。 妊娠中妊娠中の女性や産後の女性は,ストレスレベルの上昇,社会的なサポートの欠如,回復力の低下などさまざまな問題を伴うことで,精神疾患の発症や再発のリスクが高まる

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PTSDのなりやすさに男女差はあるのか

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは,生命や安全が脅かされるような強いストレス(事故や災害,戦争,虐待など)を経験した後で,心身にさまざまな症状が現れる障害のことを指します。日常用語としても「PTSD」という言葉はよく使われますが,本来は「生命や安全が脅かされるような強いストレス」というところがポイントで,軽いショッキングな出来事から生じるものではありません(もちろん個人差はあるでしょうけれども)。 男女差PTSDには男女差があると言われています。 ◎男性はトラウマ的な

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伝統的な規範と結婚満足度

厚生労働省は,共働き等世帯数の年次推移をグラフで報告しています。1990年代に専業主婦世帯と共働き世帯はおなじくらいになり,そこから現在では明らかに共働き世帯が日本でも多数派になっています。 収入共働き世帯が増加すれば,当然ながら,男性よりも女性の方が収入が多い世帯が増えてもおかしくありません。しかし,伝統的なジェンダー規範をもつ夫婦だと,お姓よりも男性の方が収入が多いことを「当たり前」と考えて,女性の方が収入が多くなることに違和感を覚える人もでてきそうです。 「男性は稼

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ダークな性格の人が退屈な時にネットに向かう

オンラインのネット荒らしはトローリング(trolling)とも言われます。オンライン空間で行われる反社会的で破壊的な行為のことを指す言葉です。 一般的な荒らし行為には,攻撃的で扇動的なコメントを残すこと,トピックから外れたメッセージを残すこと,インターネット空間で噂や虚偽を伴うメッセージを作成することなどがあります。 性格ダークなパーソナリティは,オンラインの荒らし行為に密接に関連すると考えられています。また,その関連を報告する研究も数多くあります。マキャベリズム,サイコ

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離婚は病気の確率を高めるのか

離婚や別居は,西洋諸国ではよく見られることです。日本も「離婚率が高い」とは言われますが,これは統計的な集計方法にもよるので,なかなか一概に言えるものではありません。 離婚の影響私たちは,人間関係を解消することに対して強いストレスを抱きます。これは離婚に関しても同じです。もちろん,それまでの関係性が悪化すれば,離婚によってより望ましい生活がもたらされます。また,離婚は経済状況,住宅状況,社会関係の変化を伴いますし,子どもがいる場合は子育て,ケア,面会に関する問題をどうするのか

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