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創造性は感情に左右される
創造性というのは,その人独自の知識や経験に基づく新しいアイデアや潜在的に有用なアイデアを開発し,それによって環境に対応し,環境を形作ることを可能にする能力であるとされます。ほかには,創造性とは,新しく有用なアイデア,概念,方法,または製品を生み出す能力だとされることもあります。
感情
創造性に感情や気分は関連するのでしょうか。なんとなく,ポジティブな感情を抱いているときには創造性に結びつくような気がします。ネガティブな感情は,創造性を妨げるのではないでしょうか。
しかし,問題はそんなに簡単ではなさそうです。むしろ,ネガティブな気分のなかで「なんとかしよう」ともがいて,創造性が発揮されることがあるかもしれません。
ポジティブ感情・ネガティブ感情
ポジティブな感情が常によいかということ,必ずしもそうではありません。もちろん,全体的に,ポジティブな感情はよい結果をもたらす可能性が高いといえます。しかし,創造性ということを考えると,ポジティブな感情は行動全般を促進し,社会的な影響への同調や消費行動といった創造性以外の反応も刺激する可能性が高いと考えられます。
個人差
特定のパーソナリティや認知的な状態の時に,ポジティブな感情が創造性に結びつきやすいということはあるかもしれません。また,ネガティブな感情のありかたによっても,より創造性が刺激される条件というものがあるかもしれません。
では,どのような状態の時に,感情が創造性に結びつきやすいのでしょうか。動機づけと行動志向性(状態志向性)という変数に焦点をあてて,関連を検討した研究があります。状態志向とは情動体験に継続的に集中する傾向を指しており,行動志向とは情動体験から焦点を移して行動を制御する傾向のことを意味します。行動志向的になるか状態志向的になるかは,個人差があるそうです。そして,行動志向の個人は状態志向の個人よりもネガティブな気分をうまく切り離して創造性を発揮しやすい一方で,状態志向の人はネガティブな感情に焦点をあててしまって創造性が生じにくいのではないかとも考えられます。
では,実際にどうなっているのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Personality dynamics turn positive and negative mood into creativity)。
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