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孤独を楽める人はよい感情を抱く
「ひとりでいること」そのものは,問題を生じさせるわけではありません。人によっては,好んでひとりでいようとすることもありますし,私自身も誰にも会う必要も感じることなく,ひとりでいても全然平気で,むしろひとりでいたいこともあります。
孤独感か孤独か
孤独(solitude)は,孤独感(loneliness)とは違うのです。孤独感は,明らかにネガティブな感情を伴います。自分の理想としては,誰かと一緒にいたいとか,こういうふうにつきあいたいと思うのに,理想からかけ離れてしまっているときに,ギャップを感じて不快感を抱くことが「孤独感」です。孤独感は,誰かと一緒にいても感じることがあります。
しかし,自ら孤独で異様と選択することは,創造性を高めたり自分を探究したりする機会を提供するなど,メリットがあるとすら考えられています。ところが,私たちは基本的に,ひとりでいることをできるだけ避けようとする傾向もあります。
自律性
孤独(自らひとりでいること)とは一般的に,物理的に一人であることと,特定の集中を要する活動から解放されていることで定義されるそうです。孤独を体験することでメリットを得るには,自らその状態を選択すること,自分でその状態をコントロールできているという自律性の感覚を抱くことが重要です。
孤独の状態が外部からの強制で生じると,私たちは支配されていると感じたり,制御されている,抑制されていると感じやすくなります。これは,幸福やウェルビーイングを損なう感覚です。
自己決定理論
自己決定理論(SDT)では,人々が何を考え,特に何を思い出すかによって,その瞬間の楽しみが強化されたり損なわれたりする現象を説明します。自己決定理論では,基本的な心理的欲求を仮定します。
◎自律性:意志力や行動力の感覚
◎有能感:能力と有効性の感覚
◎関係性:他者との親密さの感覚
これらが満たされることは,人間が幸福感を抱いたりウェルビーイングの感覚を抱いたりする際の基礎になると考えられています。
孤独についてどのような感覚を抱くことが有効なのか,詳細な検討を行った研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Seeking solitude skills: Do memories of intrinsic goals enhance enjoyment of alone time?)。
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