学生の抑うつ傾向は生活の質を低めるのか

うつ病の歴史は古く，世界中で見られる精神疾患です。うつ病は，抑うつ気分が持続する状態を特徴とする精神障害と定義されており，疲労や気力の減退，興味や喜びの減退，睡眠障害，精神運動性の焦燥（落ち着きのなさ）または制止（動作や言動が遅くなること），集中が困難なこと，食欲や体重の変化，無価値感や過度の罪悪感，自殺観念などの精神症状を伴います。

学業ストレス

日本では特に中学生，高校生は，学業上のストレスと日々向き合っています。中学受験が盛んな地域では，小学校高学年も強い学業上のストレスを抱いていると考えられます。また資格要件や進学，卒業要件が厳しい大学生や専門学校も，同じ問題を抱える傾向がありそうです。

学業ストレスは，思春期・青年期の若者たちの抑うつ症状の大きなリスクになる可能性があります。

思春期うつ病

思春期，青年期の抑うつ症状は，学業ストレスだけでなく，投稿の頻度，睡眠の質，自殺念慮，生活の質の低さなど，さまざまな問題に関連します。

高校生や大学生では，どれくらいうつ病の基準を満たすような人々が存在するのでしょうか。また，各種の生活の質に関連する指標と，思春期・青年期の抑うつ傾向はどれくらいの関連を示すのでしょうか。メタ分析で検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう（Relationship between depression and quality of life among students: a systematic review and meta-analysis）。

Relationship between depression and quality of life among students: a systematic review and meta-analysis - Scientific Reports