母の言葉~女の一生~
アラフォーからの豊かな人生をガイドする
ライフクリエイター朝比奈 卵です
母は私にとって普通のお母さんだった
しかし亡くなってもうすぐ10年
今思えばなかなか素敵な女性だったと思う
天性の勘が冴え渡っていた母
まさしくブラボー
だった人生
私が長男を出産した直後
子育てのなにもかもが
分からなかった頃
(今でも分からないけれど…)
近所に
3歳の息子に
バイオリンを習わせているという
ママさんがいた
有名なバイオリニストに
習いに行っているので
「お金が掛かって本当に大変…」
と愚痴を
こぼしていたことがあった
帰宅後、私は母に言った
「まだなにも分からないような
年齢の子にそこまでする
意味があるのかな…」
すると少しの沈黙の後
母がこう言った
「教育で大切なことのひとつに
”本物を見せる”ということがあると思う
本物が分かれば偽物は見抜ける
でも逆だと分からないから
子供に本物を見せるということでは
とても意味のあることだと思う
そして一流の人は
一流の哲学のようなものを持ってる
だから
その哲学に触れられるという点でも
一流の人に教えてもらう
ということは
良いんじゃないかな
あくまで私の意見だけど!」
との答えが返って来た
そして母自身が両親に対して
一番感謝していることは
常に本物を
見せてくれたことだったという
他には連日外食続きだという
ママさんの話になった時
(恥ずかしながら当時の私はその方を
ナナメから見ていたのですが)
母はこんな風だった
「連日外食でも
いいんじゃない?
それよりも一番大切なことは
”お母さんが心から笑っていること”
世間が食育食育ってあんまり言うと
働いているお母さん達を追い詰めかねない
忙しいお母さん達が可哀そう」
当時「食育」という言葉を
急激に打ち出し始めた世間を
懸念していた
母との話はいつも
何でもない会話だったけど
あぁそうか
なるほど
と目から鱗みたいな展開が
多かったように思う
えっと…
それで私は美術館とか連れて行って
もらったんだっけ?
と本物についての
自分の記憶が無かったので聞いてみたら
「あ、ごめん忙しかったから!」
と笑った
おいっ!!
まだまだたくさんの言葉と
母の笑顔が胸にある
事故であっという間に
逝ってしまったけれど
最後まで
悲哀という言葉は
微塵もないような人だった
だからなのか
寂しいけれど
悲しくはない
アラフォーからの豊かな人生をガイドする
(世の中のお母さんエイエイオー!)
朝比奈 卵です
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