冨田めぐみ

アートで子育て!「アートケア」というコンセプトで、親子ワークショップや0歳からの鑑賞会を各地美術館と連携して開催しています。NPO法人 赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事

冨田めぐみ

アートで子育て!「アートケア」というコンセプトで、親子ワークショップや0歳からの鑑賞会を各地美術館と連携して開催しています。NPO法人 赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事

最近の記事

ルポ:松任中川一政記念美術館「0歳からの家族鑑賞会ミュージアム・スタート」 「こども園・2歳児クラス鑑賞会」

白山市立松任中川一政記念美術館さん主催で「0歳からの家族鑑賞会ミュージアム・スタート」と「こども園・2歳児クラス鑑賞会」を開催しました。 今年で8年目。すっかり「ホーム」という気持ちです。 鑑賞会自体もアットホームな雰囲気です。小さめの美術館で少人数で実施するから、というだけではなくて、職員さんも参加者さんもあたたかい。通常、小さい子を連れて鑑賞会に参加するご家族は「大丈夫だろうか?」と緊張されていることが多いのですが、ここ松任中川一政記念美術館さんの鑑賞会にお越しの皆様は

    • 子どもが怖い話を作ること ・ アートケアだより2024年10月号

      ●子どもも不条理な世界を想像する 先日、奈良県立美術館のお招きで「0歳からの家族鑑賞ツアー」を実施してきました。数多くの絵本の絵を手がけたエドワード・ゴーリーの展覧会です。 皆さんはエドワード・ゴーリーの絵本を読んだことがありますか?  『不幸な子ども』『蟲の神」『狂瀾怒濤:あるいはブラックドール狂騒』『うろんな客』『金箔のコウモリ』… 絵本のいくつかのタイトルから、妖しく恐ろしい、けれど独自のユーモアと品のあるゴーリーの世界が伝わるでしょうか。やっぱり見ないと伝わらないで

      • ルポ:石川県立美術館と「0才からのファミリー鑑賞会」を実施しました

        石川県立美術館さんと、8月31日(土)と9月1日(日)に「0才からのファミリー鑑賞会」を開催しました。 計3回、満員御礼。欠席の方もおられまして、計14組、子ども24名、大人28名の皆様がご参加くださいました。 鑑賞したのは「いきもの発見!」工芸作品のコレクション展です。 鑑賞会の構成を作るにあたり、事前に写真入りの図面を見せて頂いたときの第一印象は「カラフルだな~」 そして図面から、展示を担当された学芸員の西ゆう子さんの、子どもの気持ちを汲もうとされる暖かい気持ちが伝わ

        • アートケアだより 2024年9月号

          ●夏の成長 長い夏休みが明けると、ぐんと成長した姿を見せるお子さんが少なからずいます。 自分の時間が持てるからでしょうかねぇ。でも保育園や学童に行っている子は生活時間があまり変わらないと思います。いつもより少しのんびりできるのかな?  夏独特の開放感、夏休みだからできる冒険、思い出になるような経験。いろんなことが相まってのことなのでしょう。 表現の面でも、夏休み終盤や夏休み明けのワークで、子どもたちはポンと成長した姿を見せてくれます。 ●デ・キリコの世界観に共感する6年生

          パリ オルセー美術館『3~5歳鑑賞会』ルポ

          6月16日(日)午後。今回の旅の大きな目的の1つ、オルセー美術館への訪問の時間がやってきました。研究員のYannick Le Papeさん(ヤニックさん)とお会いします。 入口前の広場にある名物の彫刻、サイの前で待ち合わせ。 ・・・・・・ (旅の発端や訪れた先のことなど下記に記しました) アートケアだより7月号「ロンドンとバーミンガムの博物館のお話 https://note.com/artfriend_2525/n/n780d3c8de7ec フォンダシオン・ルイ・ヴィ

          パリ オルセー美術館『3~5歳鑑賞会』ルポ

          パリ オランジュリー美術館 『0~2歳鑑賞会』『3~5歳ダンス鑑賞会』ルポ

          6月16日(日)午前、パリのオランジュリー美術館で鑑賞会を見学しました。 系列のオルセー美術館・研究員Yannick Le Papeさん(ヤニックさん)のお話によると、オランジュリーの乳幼児鑑賞会は、数ヶ月前に始めたばかりで、ファミリーエリアも改装して新しく作ったのだそうです。 ヤニックさんは、乳幼児の鑑賞会について調査なさっています。 「フランスでは乳幼児の鑑賞会があまり行われていませんでした。それで世界各地で行われている乳幼児の美術プログラムについて調査し、パリでプログ

          パリ オランジュリー美術館 『0~2歳鑑賞会』『3~5歳ダンス鑑賞会』ルポ

          ルポ:ちひろ美術館・東京さんと「あかちゃん・子どものための鑑賞会」を開催しました

          ちひろ美術館・東京さんと、7月28日(日)に「あかちゃんのための鑑賞会」8月18日(日)に「子どものための鑑賞会」を開催しました。 「いわさきちひろ ぼつご50ねん こどものみなさまへ あ・そ・ぼ」展。 アートユニットのplaplaxさんが年間を通じて、ちひろ美術館の3つの展覧会のディレクターをなさっていて、「あ・そ・ぼ」展では《絵を見るための遊具》という楽しい作品が会場のあちこちにあります。《まどのらくがき》《絵の具の足あと》というインタラクティブな作品も! そして発達心

          ルポ:ちひろ美術館・東京さんと「あかちゃん・子どものための鑑賞会」を開催しました

          アートケアだより2024年8月号 「集める・調べる・分類する・保存する・公開する」という博物館のお仕事に通じるプロセスを、子どもたちに体感してもらう夏のイベント

          8月11日(日)に、夏のイベント『見せっこ博物館 ~ 土器片に触れたり、藍のたたき染めもするよ!』と、自然の美しい色を感じる『藍の生葉染め』を開催しました。 「アートケアひろば」には、先月号のおたよりでご紹介したような、博物学的な観点で物事を楽しむ子どもたちがたくさんいます。 みんなが集めている物… たとえば蝉の抜け殻、育てている昆虫、海で拾ったシーグラスや貝殻、道で拾った石や森で拾ったドングリ、なぜか好きでたまらないモノ、図鑑や本などを持ち寄って、博物館みたいに楽しむ。 「

          アートケアだより2024年8月号 「集める・調べる・分類する・保存する・公開する」という博物館のお仕事に通じるプロセスを、子どもたちに体感してもらう夏のイベント

          パリ フォンダシオン・ルイ・ヴィトン 『ファミリー・フェスティバル』 ルポ

          2024年6月、パリにあるフォンダシオン・ルイ・ヴィトン FONDATION LOUIS VUITTON で開催された『ファミリー・フェスティバル』に行ってきました。 (なぜ訪れたかは前回のnote「アートケアだより7月号」に記しました!) (写真の撮影と掲載について、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンの許可をいただいています) 年に一度、6月の第3土日に開催。第4回ということで、情報が浸透しているのか、とにかく大賑わい!  X線検査の列が「お子さん連れでない大人の観覧者」と

          パリ フォンダシオン・ルイ・ヴィトン 『ファミリー・フェスティバル』 ルポ

          アートケアだより7月号 : パリとロンドンのいくつかの美術館・博物館へ行ってきました

          6月。「えいや!」と、パリの美術館のいくつかの乳幼児向け鑑賞会とイギリスの美術館・博物館を訪問してきました。  イギリスに留学中の息子から「来れば?」と言われまして(珍しく!!)。「我が子の留学先に出かける母」なんて恥ずかしくてできない~と思っていたのですが、何度か誘われるうち、そういえば…と、昨年、研究員さんからご連絡をいただいたオルセー美術館で何か子ども向けの会があるか調べましたら、ちょうど鑑賞会がある! そしてその前日には、フォンダシオン・ルイヴィトンというこれまた素

          アートケアだより7月号 : パリとロンドンのいくつかの美術館・博物館へ行ってきました

          「母に当たりが強くて…」な話題☆アートケアだより☆2024年6月号

          子どもがお母さんにひどく八つ当たりする、ものすごく感情をぶつけてくる というお話が、このところ毎回のワークで誰かしらから出ています。  お話される皆さん、もう疲労困憊しきっていて、時に涙ぐむ方もいて、こちらも泣けてきます。毎日のことだから本当に大変ですよね…  小さい子どもたち、あるいは負荷が過大にかかっている場合は年齢問わず、ストレスを上手に逃して心身の健康を保つ方策を取れないことがあります。  そんな時、「感情をぶつけてもいいや!」という相手にだけ、つっかかってくる。甘

          「母に当たりが強くて…」な話題☆アートケアだより☆2024年6月号

          アートケアだより 2024年5月号

          ●4月 「保護者お話会」 で育児のヒント  「アートケアひろば」では年中行事として「保護者お話会」を開催しています。1年の成長を振り返りながら、新年度を迎えるお子さんたち(と親御さん!)のドキドキワクワクをシェア。皆さんと話すことで悩み解決のヒントが得られる素敵な時間になっています。  学年も住んでいる地域も様々なので、自分たちの置かれている日常を、少し離れたところから見るような感覚で整理することができる、そんな良さがあると私は感じています。  今年は4月に3回開催。保護者

          アートケアだより 2024年5月号

          アートケアだより 2024年4月号

           新年度ですね! 6年生の皆さん、ご家族の皆様、小学校ご卒業と中学校ご入学、おめでとうございます。   毎年、6年生の皆さんにアートケアの思い出や感じたこと、後輩へのメッセージなどを書いていただいています。小さいお子さんたちへ、どうぞ「お兄さんお姉さんの言葉」を読んであげてください!  中学生以上は、ワークに毎月来ている人と来られる時に参加してしている人がいます。  心を整えたり、静けさを取り戻したり、自分らしさを確認したり。何より「表現する」ことは楽しく、幸せ感覚がアップし

          アートケアだより 2024年4月号

          『生きた。描いた。愛した』 三岸節子さんの画業を一望・一宮市三岸節子記念美術館「赤ちゃん&こどもアート鑑賞会」ルポ

           愛知県の一宮市三岸節子記念美術館さんに毎年お招きいただいて、赤ちゃんから小学生とご家族が参加する鑑賞会を実施しています。今年度はコレクション展「花より花らしく」を鑑賞しました。 ・・・  「生きた。描いた。愛した」という鮮烈な言葉は、数年前に放映された、テレビ東京「新美の巨人たち」で耳にしました。近藤サトさんの貫禄あるナレーションも相まって大変印象に残りました。  鑑賞会の準備に際し、あらためて美術館の「こどもセルフガイド」を読み直したところ、この言葉が掲載されていること

          『生きた。描いた。愛した』 三岸節子さんの画業を一望・一宮市三岸節子記念美術館「赤ちゃん&こどもアート鑑賞会」ルポ

          アートケアだより2024年3月号

           2期にわたる展覧会、年度末作業等で、月初に発行しているおたよりが月末となってしまいました。。。  そう、もう年度末なんですね〜 2023年度は「アートケアひろば」20周年でした。3月20日(祝)、ようやく「20周年の集い」を開催しました。懐かしい方が来てくださって、あれこれ思い出され…  20年を振り返るのもナンなので、近年について振り返ってみます。 ●アートケアひろばの展覧会  「アートケアひろば」は、お絵描き工作、言葉や音、身体表現など、子どもたちが様々な芸術表活動

          アートケアだより2024年3月号

          アートケアだより2024年2月号

           6年生ご家族へのインタビュー。今月は(先月号の方とイニシャルが同じですが)Tさんにお聞きしました。Sくんは少年野球のチームでも活動しながら時間を作ってアートケアに来てくれています。小さい頃から興味を持ったことを作品に表してきました。武将の甲冑を作ったり、近年は野球選手の絵を描いています。4年生の妹がいます。お母さんは、ほっこりする方で…  ●絵も工作も野球も 冨田: コロナ禍でオンラインワークをしていた時のメールのやり取りで、Tさんが飼っていた猫の名前が「魯山人」で、名

          アートケアだより2024年2月号