arika.s

NGO→教育→コンサル→無職→図書館長(2021〜) 感情を揺さぶってくる問いやモノが好き。人との関わりは勿論、映画やアニメなど。お金があるなら旅行がしたいです。趣味で少しずつ日々のことを書いていきます。

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  • エッセイ

    趣味で書いているエッセイたち

  • 映画とわたし

    ジブリ作品や特に好きな映画たちから感じ取ったこと、受け取っていることを備忘録的に。 映画を観るときの温度が2℃くらい上がりますように。

最近の記事

Birth 出産の記録

はじめに2023年11月15日23時46分 息子が生まれた。 近いはずなのにどこか遠くに響き渡る産声を聞いた瞬間、私に溢れだしたのはとてつもない解放感と、あぁわたし、やったんだ…!という身体の底から込みあげてくる歓び。 あの日、あの瞬間のはちきれそうな胸の感覚は、きっと一生忘れないだろうと思う。 2024年5月15日 いよいよ息子のハーフバースディだ。 だんだんと産後の重たい身体も元に戻り、見違えるほど息子も大きくなって、今もこの文字を打つ隣で床を強烈にバンバンたた

    • レーズンパンは精一杯の祖父の愛

      #おいしいはたのしい いったい全体、何がどうして結婚したのだろうか。。。 と思うくらい、うちの祖父母は反りが合わない。 早くに母を亡くし、貧しくもあったが故に、幼いながら大家族の長女として強く指導的であらねばならなかった祖母と、一代で財を成した起業家の父とそれを支える淑やかな母の姿を見てきた一人息子の祖父とで大分価値観が違うのだろう。 祖母は祖父にやたらと干渉しすぎ、祖父は祖母への思いやりが足りなかった。 「ご飯ですよ」 と、階段下から祖母は祖父に声をかける。いつも我

      • 道徳の授業を、いつもどこでも何度でも

        その日は長距離ドライブだった。 早すぎるだろうと怒られてしまうかもしれないが、三十路近くが久々に集まると、階段が辛いとか、徹夜が無理とか、カラオケで声が枯れるとか、歳とってきた系トークで大抵盛り上がる。 と同時に、どんな子どもだったとか、大人になったと感じた瞬間とか、ルーツを辿る系トークも盛り上がるものだ。 どんな経緯だったのかは忘れてしまったが、道中、同乗者がこんな投げ込みをしてきた。 「小学生くらいの授業でまだまともに覚えてるものってある?」 「えーなんだろな。みんな

        • 韓ドラは嫌いなはずなのに観るのがやめられない病気にかかっています

          私は(現代ものの)韓流ドラマが嫌いだ。 見ていてほぼ100%イライラしてしまうから嫌いだ。 それなのに、いつだって家の録画リストには沢山の韓ドラが名を連ねている。 今日もまた録画したドラマに苛ついてしまったが、きっと明日も続きを見ると思う。 こんなに毎回イライラするのに、こんなに毎回見てしまうのだから、もしかしたら私は病気なのかもしれない。 我が家の韓ドラブームは2013年に始まった。かの有名な「宮廷女官チャングムの誓い」を母が見始めたのを皮切りに、朝7chの録画が常態化し

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        記事

          トイレの洗面所が綺麗な会社はいい会社だ(持論)

          新人の頃、入社2日目に気づいたことがある。 「トイレの洗面所の水撥ねが全然ない件について」 どんなに気をつけて手を洗おうと、どんなに滴り落ちる水を気にしながら注意深くハンカチを出そうと、洗面所への水撥ねゼロでトイレを後にすることは難しい。そもそも、手を洗う時に水撥ねを気にして洗っている人が果たしてどれだけいるだろうか。日本人は多少多そうだが、それでも人口の1%いないくらいだろうか。 うっかり気になってしまったので真面目に考えてみると、水を洗面所の周りに一滴も零さずにする

          トイレの洗面所が綺麗な会社はいい会社だ(持論)

          君の名は。を10回観てもやっぱり泣いてしまう

          最近観た映画の中で一番印象深かった映画は何かと言われたなら、私は迷わず「君の名は。」だと答えるだろう。映画館に3回足を運び、飛行機の往復で観、金曜ロードショーで観、遂にはDVDも買ってしまった。何がここまで私を虜にさせるって、ストーリーの秀逸さでも、絵の繊細さでも、名前を呼びながら坂を駆け抜けるエモいところでもない。 「大切なはずなのに、どうしても思い出せない切なさ」を痛いほど感じさせてくれ、そして私にとっての大切なものを思い出させてくれたきっかけの映画だからである。 よく

          君の名は。を10回観てもやっぱり泣いてしまう

          変わらないものに感謝を。変わりゆくものに敬愛を。

          会社を卒業した。 理由はいくつかあるが、卒業しようと思って、卒業できる時がたまたま今だった。 それなのであれば、今、辞めなければならないと思った。 最終出社日は、とても清々しい秋晴れだった。 別れを惜しんでオフィスを後にし、外に出ると、なぜか急にゆっくりと歩き回ってみたい気持ちになった。 あまり電車に乗りたくなかった。あまりすぐに帰路につきたくもなかった。 次の日常に入る前に、私には少し心を落ち着かせる余韻が必要だったのだ。 ゆっくりと坂道を下る。 奇しくも、勤めたオフィ

          変わらないものに感謝を。変わりゆくものに敬愛を。

          愛「する」ということ

          まだ学生で社会人が格好良く見えていた頃、干支ひと廻りも歳の離れた人と付き合っていた時期がある。 とても感受性が豊かで、繊細で、言いたいことはハッキリ言う詩人だった。 その人とは結局上手くいかずに1年足らずで別れてしまったのだが、彼は私と別れる間際にこんな忘れられない言葉を遺した。 「自分が愛されたくて、僕を愛するのは、もうやめてくれ」 衝撃だった。 正直、何を言われたのかわからなかったし、何が悪いのかもわからなかった。 普通、愛されたいから愛する、んじゃないのか? 愛され

          愛「する」ということ

          I love youの日本語訳は「月が綺麗ですね」ではなくて「関白宣言」だと思う

          女性の権利に対して女性の私から見てもちょっと過剰すぎる反応があるように感じられる現代の中で、こんなこと言ったら白い目で見られるかもしれないが、どうしても言っておきたいので言っておく。 「さだまさしの関白宣言に優る愛の詩(うた)があったら、是非目の前に持ってきてほしい」 1979年、さだまさしは関白宣言を書いた。 私は1990年代生まれなので、若干世代が違うというか、特にさだまさしにキャーキャー言う機会もなく大人になり、彼も彼の歌もよく知らなかったというのが正直なところであ

          I love youの日本語訳は「月が綺麗ですね」ではなくて「関白宣言」だと思う

          怒りが思い出せず、愛が失われたのではと怖くなった

          水曜日、絵を描きにいった。 最近、EGAKUという創造性回復プログラムを通じて自分と向き合う時間を持とうと、毎月異なるテーマで内省し、絵を描く、連続10回のコースに定期的に通わせていただいている。 慌ただしい日常の中で、その3時間だけは完全集中し、自分の内側から湧きがってくるものをただただ眺めている。 テーマについて内省し、イメージを紙に落とし続けていたら、気づけばカラフルに染まった手と、作品が目の前にあるような、そんなフロー状態をもたらしてくれる呼吸の深い場だ。 今回

          怒りが思い出せず、愛が失われたのではと怖くなった

          これまでの全てが無になろうと、そんなことはどうでもいいとすら思えた

          今日、人に会った。 頭を殴られたような衝撃と、ずしんと重力を感じる純度の高い言葉に 心が震えて、身体も震えて、頭も震えた。 自分はこれまで命を燃やして何かと向き合ったことがあっただろうか。 何かを創ったことがあっただろうか。 心も身体も頭ももう嫌だ!限界だ!助けてくれ!と叫んでいるのに 憑りつかれるように身体だけは動いてしまったことはあっただろうか。 自分の甘っちょろい憧憬や覚悟がパラパラと音を立てて崩れ落ちていく。 どんな言葉を発しても滑る気がする。 だめ

          これまでの全てが無になろうと、そんなことはどうでもいいとすら思えた

          子どもらしくあるために大切なこと

          紫陽花がまだ花をつけている7月の初めに、縁あって北鎌倉に期間限定移住をしている。 自然と人との境界が(ほぼ)ない古民家で、2歳半から27歳までの血の繋がらない仲間と寝食を共にしながら、拡張家族を味わっている。 @日曜日。 みんなが家にいる+最近ジブリ4作品始まったね!懐かしいね、どの作品が好き?と話が盛り上がり、 「そうだ、2歳児もいるし、トトロ観よう」となり、トトロを見た。 テレビがないので、ふすまに投影するトトロは、非常にエモ(※)かった。 ※Emotional・感

          子どもらしくあるために大切なこと

          まずは行動って行動出来てたら悩んでないんだよ

          とにかくやってみましょう 飛び込んでみましょう 行動してみましょう 習慣化しましょう 大丈夫、努力は裏切りません そんなことはわかってる でもそれが出来ないから俺は困ってる …そうだね、わかるよ。 ある人との対話より

          まずは行動って行動出来てたら悩んでないんだよ

          生と死。共に生きるということ。

          子どものころ、もののけ姫はホラー映画だった。 冒頭5分でおどろおどろしいタタリ神が姿を現し、触れるもの全てを破壊し、殺し、呪いをまき散らすシーンは怖くて、指の隙間から覗いていた記憶がある。 本作品は、ジブリにしては残酷な、腕や首がもげ、血飛沫をあげて死ぬシーンが多い。 生と死や自然と人間の対比を描かれている作品だとよく評されるが、もう少し奥深いのではないかと思って私なりの視点を記してみる。 1.すべては緩やかな死の匂いからはじまる東の果ての静かな古の国。 人々は戦から離

          生と死。共に生きるということ。

          大切なものはいつも内側にある

          2001年に公開されたジブリ作品、「千と千尋の神隠し」は歴代作品興行収入ぶっちぎり1位(2020年の今も)で多くの人に支持される作品だ。 何度見ても、問いかけられ、気づきと勇気と戒めをくれる。 様々な解釈ができること、見る人・タイミングによってそれは変わること、読み解きの正解がない非暴力さが映画がもたらしてくれる価値だと思うが、だからこそ、今の自分はこの作品に何を投影するのかを記録していきたいと思う。 1.親である前に、男女であり人間である親「千尋、あまりくっつかないで

          大切なものはいつも内側にある

          ジブリ映画になぜこんなに惹かれるのか

          物心ついたころには、となりにジブリがあった。 テレビに齧り付き、擦り切れるほど見たビデオは「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」そして「天空の城ラピュタ」。 あまりに何度も鑑賞し、景色、言葉や音楽が記憶の奥底に刷り込まれた。 まだカーナビがなかった時代、遠出するときには弟・妹と映画の台詞を交互に言いあって、目的地到着までにひと作品・ふた作品くらい脳内上映会を楽しんだものだ。 ジブリが好きな人は

          ジブリ映画になぜこんなに惹かれるのか