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2024年9月の記事一覧
【小説】「卵十個パック、ふたつ分の魂」
タナカは「あー、カップヌードル食べようかな」と不必要にでかい声で発声し、「あー、ふたり分のお湯でもわかしてみようかな」とあたしのことをチラ見した。
「そんなんで機嫌なおすと思ってんのか、お前」って。
言いたくなるのをグッとこらえて口を結ぶと、鼻からため息だったものがもれた。あなたのしたことは、お湯を注ぐだけで許されるわけがないんですよ、おわかりでしょうか?と思いつつ、「勝手にしなよ」と短く応え
黄色いスウェットで寝そべってる
今日は平井さんが出てくる夢だった。
JRの宇都宮線かなにかの列車で座っていると、小さな隙間にダイビングするように、黄色いスウェットの男性が座りこんでくる
よくよく見ると平井さんであった。
お互いに目を合わせ、僕は会えた喜びで「平井さん!」と声をあげてしまう。
平井さんは、「おう」と言いながら片手をあげて返事をする。僕と隣の乗客の膝の上の寝転がりながらで、堂々としていたが、どこかオドオドしたところが
【小説】父を笑わせる その1
母が亡くなった。
案の定、父は泣き暮らしている。
なんなら泣くために、泣ける映画ばかり見ているんじゃないかって思う。
父が見る映画ではたいてい人が死に、病いに苦しみ、離別に戸惑う人たちが出てくる。父のえらいところは、そういう一大事のあとにも、仕事には行っているってことだ。
ちなみに今日は、早起きした父が朝っぱらから『クレイマークレイマー』を見ていた。一人で観せてあげたい気がして、僕は部屋に戻る
ハッピーバースデーハッピーバースデーハッピーバースデーハッピー
今日はいい1日だった。
たまたま見たドラマは、最近では珍しいくらいにハッピーエンドじゃなかったけれど、次女と図書館に行って、自分が読みたい本と家族が読みそうな本を借りて、お昼に作った帆立とエリンギのパスタは美味しくできて、ベースの教則本を読みながら昼寝をして。
起きたら、妻とミスドでお茶して、ふたりでココナツチョコレートとコーヒーとポン・デ・ストロベリーを分け合って食べて。
古本屋さんでは、お
トイレの近くかどうか、気にしないわけないじゃないか
汚い夢だった。
中学の校舎の、技術室みたいだった。
奇妙なことに、トイレの入り口のすぐ近くに、6人は座れそうなデカい長方形のテーブルがあって、見たことのないひとたちと一緒に座っていた。それぞれの席には、型が揃っていないパソコンがある。
配線が汚い。
古い型のデスクトップ1台、妙に分厚いノートパソコンが4台が置かれている。座っているのは3人だけ。知っているひとはいない。古い型のデスクトップを使