第10話 寛容な社会はチャンスを増やす気がする
門で見つけた大統領府からの封筒を手にして僕はアパートの部屋へと戻り丁寧に3つ折りにしてある手紙に目を通した。いつも抱いていたいい加減でアバウトなこの国のイメージとは裏腹に手紙の内容は実にフォーマルで聞いたこともないスペイン語が羅列してあるけれど、意味はなんとなく理解できた。
「貴殿から頂いた便りの内容については大変に感慨深く、出来ることなら上手く事が運ぶように助言をしたいけれど、移民局と大統領府とは全く異なる機関であり、移民についての判断は移民局の厳粛な査定を尊重し我々の手