とある「小説書き」の場合【小説を書いたり読んだりする人が答える20の質問】
小説を書く人は、ある日、突然生まれる。
人が、初めて誰かに読まれるための作り話を書き始めたとき、それは「小説書き」が生まれる一歩手前だ。まだ「小説書き」ではない。ではいつ生まれるのか。たとえ短くても、書き始めた作り話を最後まで書き終えて最終の句点を打ったとき、その人は「小説を書き」になる。最終の句点を打った作り話は「作品」と呼ばれるようになり、そうやって生まれたばかりの「小説書き」は、さらなる自分の満足を求めて新たな作品に着手する。
わたしがそうだった。小説を書くこ